よくTwitterのDMやLINE@で「楽器を吹くとき力んでしまうんですがどうしたら力を抜けますか?」と質問がきます。

が、ここのところお返事していません。

なぜかというと、申し訳ないことに文面だけでは判断のしようがないからです。そもそも「力んでいる」が何を指しているかもはっきりしません。

ぼくは力が入っている(力んでいる)状態には大きく分けて3種類あると思っています。

  1. 力んでいる→がんばらなくてもいい所ががんばっていてそこを見極めて脱力!なケース
  2. 力んでいる→身体の他の部分がサボってるから代わりにがんばってるケース
  3. そもそも楽器を演奏する上で必要な力だよそれ!ケース

 

(1)もただ脱力すればいいわけではなく見極めが必要ですし、(2)は脱力ではまったく解決しません。(3)に関しては「そこ脱力したら立ってられないよ!」な状態かもしれません。

今日は「力む=とりあえず脱力」な風潮に関して掘り下げていきます。

力んでいることが悪いのではなく、実は周りの分までがんばっているケース

ホルンでハイトーンを出そうとしている状態を例にしてみます。ホルンに限らず、ハイトーンを出すためには必要な要素ががいくつもあります。

例えば、

  1. 息のスピードを速くすること
  2. 息の出口のサイズを変えること
  3. 口の中の広さが変わること
  4. 唇とマウスピースの密着が増すこと
  5. ほかにも色々

ざっくりとこんな感じです。結果的に変わっている場合と、意図的に変えることでうまく場合がありますがとりあえずそこは置いてきます。(5)は人によりけりです。

で、中高生によくあるのは「息のスピードをあげることだけ考えて息吹きこみまくってて身体力みまくり」な状態です。

この場合、必要なことは「脱力」ではありません。

関連記事:ハイトーンはバランスが命!力んでいるのは悪いことではなく、どこかの代わりにがんばってくれているということ

ハイトーンのコツ

ハイトーンに移行するにつれて、アパチュアがすぼまっていったり、口の中が狭くなっていくことで、結果的に息のスピードが速くなり圧力も増し、ハイトーンは出やすくなるものです。で、その上でマウスピースと唇の適度な密着が必要になります。

先ほどの「息のスピードだけ考えて息吹きこみまくり身体力みまくり」だったのは、これらがバランスよく機能せず、息のスピードだけ速くしようとしていたために、結果的に表に出てくる症状が「力んでしまっている状態」であったと考えられます。

この場合「脱力!リラックス!」と言われてそれを素直に実行すると音が出なくなります。

口の中の広さや唇とマウスピースの関係性、アパチュアのサイズ調整がうまく協力し合っていなかったから、もしくは協力した方がハイトーンは出しやすくなることを知らなかったから、息を吐こうとする力だけががんばっていたんです。

それを脱力だなんて!「おまえいらんよ!」って言ってるようなものですよ。

「おまえがんばりすぎだよ!みんな協力しろよ」って言ってあげてもいいくらいなのにあんまりです。むしろ功労者です。表彰してあげたいくらいです。

この場合、必要なことは関係各所のバランス調整であって、「脱力」が問題ではないのです。強いて言えば、うまくバランスが取れてみんなでがんばるので、局地的にかかっていた力は分散され、結果的に身体の力みは減ると考えられます。

関連記事:金管楽器奏者の半分くらいが「マウスピースは唇になるべく押し付けないように」と思って吹いている理由

ホルンのハイトーンを出すために必要なヒントとコツ

必要ない部分まで一緒にがんばっている状態

例えば、大きな音を出そうとするとき。

体全体に力が入ってしまうことや、腕全部が力んでしまうこともあります。

これは一言で「脱力しろ」で解決するでしょうか。答えはNOです。

今までよりも、どこの力が必要でどこの力がいらないのかを見極める必要があるからです。

大きな音を出すために必要なこと

息をたくさん吐こうとして、今までより腹筋は使うでしょうし、息の圧力が高まる分マウスピースは唇から離れていきますから、マウスピースを押し付ける力も必要になります。

なのでお腹の力と腕の力は今までより必要になります。これは必要な力みです。

これを「脱力して」と言われその通りにしたら?やはり吹けなくなってしまいます。

おわりに

脱力やリラックスって言葉としては分かりやすいですが、楽器演奏時に起きている状況に対してふさわしい言葉かどうかはあやしいです。

ぼくはレッスンで「ここの力は必要ですか?」という話はしますが「リラーーーーックス!」とは言いません。

その場所だけがんばっていて他がうまく機能しておらず結果的に力んでしまっている状態。
必要な力とそうでない力、しっかりと見極めて「力」を使っていきたい状態。

単に脱力やリラックスといった言葉かけをするのではなく、見極めていきたいものです。

 

 

それではまた。






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ABOUTこの記事をかいた人

ごんざ ゆういち

国立音楽大学卒業。ホルン奏者。講師。
自身が長い間、心身ともに不健康な状態で音楽と関わってきた経験から「健康的に音楽と関わる」をコンセプトに多方面で活動中。
現在アレクサンダー・テクニーク勉強中。