ホルンのレッスンでしていること、できること


最近は自分の専門の楽器であるホルンのレッスンに限らず、他の楽器のレッスンをすることも増えているのですが、やっぱりホルンのレッスンが、1番受けにきてくださった方に寄り添うことができるなあ、と感じています。

なぜホルンだけ特別なのか?寄り添うって?などなど、今日はホルンのレッスンでどんなことをしているのか、という話をします。

レッスンに来てくださる方と接して感じていること

自分自身もそうだからこそ強く思うのですが、楽器や音楽というのは、楽器をはじめた時点での環境が大切です。

なにをもってして「いい環境」かは難しいのですが、いくつか考えました。

 

  • いいものをいい!と言ってもらえる環境
  • 特定のやり方を押し付けられない環境
  • 心も一緒に育ててくれる人がいる環境

 

これらが一つでもあてはまる環境にいたのであれば、その人は素敵な環境で音楽してらしたんだなあと思うのですが、残念ながら上記のどれにも当てはまらず楽器を続けている方も多いです。

いいものをいい!と言ってもらえる環境

ほめられれば誰でもうれしいです。それなのに、ほめることよりも指摘することの方が多い現場をよく見ます。

それには、甘やかしちゃいけない、調子に乗らせちゃいけない、ここで満足してもらってはいけない。。。いろんな思いがあるのでしょうが、よかったものを「よかったよ!」と言うことの方が何より大切です。

以前より今が少しでも前進したのであれば、それは「よくなった」ということだし、ほめていいと思うんです。どこまでいっても怒られるだけ、ダメなところを重箱の隅をつつくように指摘され続けるだけ。

それじゃあいつまでも不安なままですよね。でもそこで(何クソ負けてたまるか絶対負けねえ!)とがんばれる人もいますから、その人はその調子でがんばればいいと思います。でも、そうじゃない人の方が多い。

で、ここを勘違いしている人が多いんですが、みんなは楽器がうまくなるために楽器を練習するんじゃないんです。

 

楽器がうまくなることで得られることがあるから楽器を練習するんです。何が得られるかは人によって違うのだけど、そこを知っておいてほしいです。

楽器がうまくなるために練習を続けても、きっとその人の気持ちが晴れることはありません。

楽器を練習することで何かを得て、音楽と付き合っていくためには、少しでも前に進んだら「いいね!」って言える環境、言ってもらえる環境、思える環境って本当に大切で必要なもの。

特定のやり方を押し付けられない環境

多くの指導者は、自分がやってきた方法をレッスンに来た人に伝えます。

当たり前と言えば当たり前だし、自分もそうだった過去があるので難しいのですが、指導者側は自分がやってきたことが誰にも当てはまることではない、ということを念頭にレッスンする必要があります。

 

例えば、金管楽器の奏法に関して非常に多い誤解の一つに、マウスピースは唇に押し付けちゃいけない、というものがあります。

これは指導する側が、マウスピースを唇に押し付けなくても吹けているからそう指導しているわけではなく、押し付けていることに気づかない=押し付けていないだろう、という考えのもと、押し付けないように吹くんだよ、と言っているのです。

どのくらいのマウスピースの押し付け具合で楽器を吹いているかはみんな違うにも関わらず、です。

 

実際には、いつもある程度のマウスピースを唇に押し付けることは必要だし、音域が変われば圧力も必ず変わります。これは最近になって研究結果として明らかになっていることでもあります。

それなのにホルンを手にしたばかりの時に「マウスピースはなるべく押し付けないもの」といった知識を取り入れてしまうと、多くの場合その後苦労することになります。

関連:マウスピースは押し付けちゃいけないと思っている金管楽器奏者が多い3つの理由

関連:金管楽器奏者の半分くらいが「マウスピースは唇になるべく押し付けないように」と思って吹いている理由

ヒアリングから始めるレッスン

ぼくのレッスンには、楽器がうまいこと吹けず悩んでくる方が多いですし、ぼく自身もそういった方とのレッスンの方が力になれると感じています。

そのためどなたがレッスンに来ても、まずはその人のこれまでの楽器との関わりや今の楽器との付き合い方を必ず聞きます。

これはレッスンの大事な一歩目で、ただの雑談ではありません。
その人のこれまでの音楽人生の中で、どんな思いがその人の可能性にフタをしてしまっているのか知るためにとても大切なやり取りです。

心も一緒に育ててくれる人がいる環境

楽器がうまくなりたいから楽器を練習するんじゃない、とややこしいことを先ほど書きましたが、実際何が楽しくて楽器がうまくなるために練習しているんでしょう。

 

ほめられて嬉しいから
できなかったことができるようになるのが楽しいから
今まで吹けなかった曲が吹けるようになるから
音を出すことがただただ楽しいから

 

人それぞれいろんな想いがありますよね。はじめはみんな純粋な思いで音楽を始めるのに途中から多くの人は、

周りに迷惑がかからないように
音外さないように
音程ずれないように
緊張しないように

なんて思い始めてしまいます。こうなると、楽器を始めた頃の純粋な気持ちはどこかにいってしまいますよね。

そんな時に、そういうことじゃないんだよ、と安心してがんばれるような環境があれば人は変われます。

でも、そういう環境ってとっても貴重で、多くの人がツライ環境の中、耐えながら音楽をしています。負けないようにがんばっています。

 

でもそれ、本当にあなたがやりたかったことですか?

 

悩んだとき苦しんだとき、ツライときうれしいとき、側にいてくれる存在がいるかいないかで、その人の音楽人生は大きく変わります。

まずはその人の心の家の中の大掃除から

悩んでいる人は、悩みすぎてワケが分からなくなっていたり、自分のことをあきらめていたり、八方ふさがりな気がして立ち止まっています。

そのとっちらかった心の中を、話しながら、誤解を解きながら、時には事実とは違った考えを捨てたり、新しい考え方を取り入れたりしながら、その人のペースに合わせてレッスンを進めていくことで、自分に合った吹き方を知ることができます。

そうすると、やるべきことが見えてきます。自分のできることも見えてきます。おまけに(自分もまだまだ上手くなれるんだ!)と希望さえ感じるようになります。

楽器に対して前向きな気持ちになるきっかけをレッスンで

自分に合った奏法を知り、自分の中で誤解していたことがクリアになり、上達の可能性を知ると、自然と(はやく楽器が吹きたい!)(もっといろんなことができるようになりたい!)と思うようになります。

 

その気持ちに火が点くことがぼくのレッスンの到達点です。

 

そこから、その人にあった練習方法、必要な要素、音楽的な話などに進んでいくのです。

できるようにはなるけどすぐには身につかない

ですからある程度定期的にレッスンに通っていただく必要はあります。今までの習慣を新しい習慣に置き換えていくことは最初は難しいからです。

ちょっと考えなかったらすぐできたことができなくなりますし、以前と同じ状態に戻ってしまいます。

レッスンでできたことが普段100%できるとも限りません。

 

でも安心してください。
少しずつ、自分で考えられるようになっていきます。いい時と悪い時の差がわかるようになってきます。新しい習慣が定着してきます。

そうなればもうぼくの力は必要なく、自分で前に進んでいけるようになるでしょう。

ぼくのレッスンでは、健やかに楽器が上達し、いつも前向きな気持ちで音楽と付き合っていけるようになるお手伝いをします。

先生がガンガン引っ張っていって素晴らしい景色を見せるレッスンではありませんので、レッスンを受けてくださる方の協力も不可欠ですが、一緒に進んでいく感覚は他では得られないものです。

一人でも多くのみなさんが、せっかく出会った音楽と楽器を楽しんでほしい。その願いでいつもレッスンしています。






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1 個のコメント

  • 素晴らしい考えのもとでレッスンされていらっしゃるんですね。
    私は、社会人アマチュア奏者なので練習時間がなかなか取れず、そんな中で長期ブランクから復活してやってます。
    今は出来ないながらも楽しく吹いてます。出来るようになれたらもっと楽しいのにと思いますが

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    ABOUTこの記事をかいた人

    ごんざ ゆういち

    国立音楽大学卒業。ホルン奏者。講師。 自身が長い間、心身ともに不健康な状態で音楽と関わってきた経験から「健康的に音楽と関わる」をコンセプトに多方面で活動中。 現在アレクサンダー・テクニーク勉強中。