随時更新予定ではありますが、現段階でのAir S-Gate MethodのQ&Aをご用意しました。
目次
- 1 Q. Air S-Gate Methodとは、簡単に言うとどんなメソッドですか?
- 2 Q. 声帯ってそもそもどこにあるものですか?
- 3 Q. リップロールができません
- 4 Q. Air S-Gateは、最初から自然に使えている人もいるんでしょうか?
- 5 Q. 昔から言われている「喉を開けろ」とは何が違いますか?
- 6 Q.よく「演奏するフレーズを歌ってみよう」というアドバイスがありますが、それと関係はありますか?
- 7 Q. 声を出さずに声門を調整しようとするのは、危なくないのでしょうか?
- 8 Q. 初心者でも取り組めますか?前提条件はありますか?
- 9 Q.木管楽器にも応用できますか?
- 10 Q. どれくらい練習したら効果を感じられますか?
- 11 Q. 首や喉に痛みを感じたらどう対処すればいいですか?
- 12 Q. Air S-Gateを使うと喉に違和感を覚えます。これは慣れれば消えるものですか?それとも避けられないものでしょうか?
- 13 Q. 普段のウォームアップにも使えますか?
- 14 Q. このメソッドを意識し過ぎて逆に調子が崩れることはありますか?
- 15 Q. 声門コントロールを意識すると、喉の奥にグッと圧を感じます。これは不要な力みでしょうか?
- 16 Q. 今後のアップデートや研究計画はありますか?
Q. Air S-Gate Methodとは、簡単に言うとどんなメソッドですか?
A. 声を出さずに声門(声帯のすき間)を“半閉鎖位”に調整し、息の流速と圧力を最適化する、効率の良い呼気コントロール法です。舌や唇のフォームをそこまで意識せず、“声門”の変化で調節するのが特徴です。
Q. 声帯ってそもそもどこにあるものですか?
A. 声帯は、のどぼとけ(喉仏)の奥、喉頭の中にあります。
Q. リップロールができません
A. リップロールは、Air S-Gate Methodの重要な要素の一つではありますが、必ずしもできなければいけないわけではありません。実際に20人以上に試してもらったところ、7・8人に1人はリップロールが苦手・または思うようにできないケースがありました。
リップロールが苦手・できない方は、
・息を吐きながら声を出す
これをリップロールの代用として使ってみてください。
Q. Air S-Gateは、最初から自然に使えている人もいるんでしょうか?
A. はい。実際プロの方は使えています。実際にプロの方に「書いてあるのは当たり前のこと」とも言われました。
Air S-Gate Methodは、空気の流し方や息の圧を繊細にコントロールするアプローチです。もともと呼吸や身体の使い方に柔軟性がある人は、意識せずに使えています。
ただ、その場合でも多くは感覚に頼っていることがほとんどで、状況によって再現性にばらつきが出やすくなります。一方で、Air S-Gateの考え方を明確に理解し、呼気のコントロールを意識的に行えるようになると、安定性が増し、より繊細なニュアンスをつけることが可能になると考えています。
Q. 昔から言われている「喉を開けろ」とは何が違いますか?
A. 「喉を開けろ」は主に咽頭腔を広げるイメージですが、Air S-Gate が扱うのは声門幅です。
咽頭を開いても声門が無制限に開けば息が拡散し音が薄くなることがあります。Air S-Gate は声門幅を“必要最小限”に保ち、咽頭の開放とは独立してコントロールする点が違います。
Q.よく「演奏するフレーズを歌ってみよう」というアドバイスがありますが、それと関係はありますか?
A. あると思います。
歌うことによって起きる声門の変化の感覚が、その後の演奏でも活きている可能性があるからです。
Q. 声を出さずに声門を調整しようとするのは、危なくないのでしょうか?
A. 日常の「ささやき声」と同じ範囲内で動かしますので、正常な発声器官を持つ方であればリスクはほぼありません。
ただし痛み・違和感が続く場合は練習を中止し、耳鼻咽喉科でチェックしてください。メソッド自体は医療行為ではなく教育目的です。
Q. 初心者でも取り組めますか?前提条件はありますか?
A. アパチュア・シラブル・アンブシュアなどの理解と、基礎がある程度できていると習得がスムーズです。
まったくの入門者は、まず通常のロングトーンやリップスラーで息と唇のバランスをつかんでから取り組むことを推奨します。
Q.木管楽器にも応用できますか?
A. 実際にフルート奏者からポジティブなご意見もいただいておりますが、木管楽器奏者の演奏への影響はまだ未検証です。が、応用できる可能性はあると考えています。
Q. どれくらい練習したら効果を感じられますか?
A. 早い人でその場で感じることができます。その後の定着には2~4週間、無意識に使えるまでには平均1~3か月を見込んでください(個人差大)。
Q. 首や喉に痛みを感じたらどう対処すればいいですか?
A. 首後面の張りや喉奥の違和感は、息圧を上げすぎたり頭部を固定しすぎたりするサインです。
①練習をいったん止めてストレッチ
②息圧を70 %程度に下げ再開
③症状が続く場合は医師に相談、で対応してください。
個人的な意見にはなりますが、喉奥の違和感は最初はぼくも結構感じました。が、これによって声がかすれたり、翌日に痛みを持ち越すことはなく、使っていくうちに違和感は減っていったので、そこまで気にすることはないかとは思います。
Q. Air S-Gateを使うと喉に違和感を覚えます。これは慣れれば消えるものですか?それとも避けられないものでしょうか?
A. 多くの場合は、身体が慣れてくるにつれてイガイガ感(違和感)が軽減される傾向があります。ただし、完全に消えるかどうかは体質や使い方によって異なります。
Air S-Gate Methodでは、通常よりも空気の流れや喉の使い方に意識を向けるため、初期段階で喉に違和感を覚えることがあります。原因としては以下が考えられます。
1. 乾燥した空気が喉の粘膜に直接当たり、刺激となる
2. 慣れていない呼気コントロールや空気圧のかけ方による軽い負担
こうした違和感は、水分補給を意識したり、練習中の呼吸のかけ方を調整することで緩和されるケースもあります。また、技術の習得とともに空気の扱いが洗練され、刺激が減ることもあります。
ただし、イガイガ感が強い、あるいは長く続く場合には、息の使い方や圧のかけ方を見直してみるとよいかもしれません。
Q. 普段のウォームアップにも使えますか?
A. はい。
楽器がなくてもできますし唇も一緒にほぐせるので、とてもおすすめです。
Q. このメソッドを意識し過ぎて逆に調子が崩れることはありますか?
A. 本手順は〈リップロールで現在の呼気感覚を確認するだけ〉のシンプルなものです。
・喉や息まわりに痛み/違和感が出た場合は無理に続けず、いったん深呼吸などでリセットしてください。
・「やらなきゃ」と力づくで操作しても効果は上がりません。軽く行える範囲で十分です。
・不安が残る場合は、信頼できる指導者や医療専門家にご相談ください。
Q. 声門コントロールを意識すると、喉の奥にグッと圧を感じます。これは不要な力みでしょうか?
A. 圧の正体は 声帯幅がわずかに狭まることで生じる “声門下圧” です。
これは 息の流れを受け止めるために必要な生理的圧 なので、
• 軽い張り感 や 空気が溜まる感じ は 正常。
• 一方、痛み・締めつけ・息苦しさ が出る場合は “余計な力み” が混ざっています。
迷ったときは、
1. いったん息を抜いて“ため息”を1回。
2. そのまま自然にリップロールをしてみる。
― この手順で「必要な圧だけが残り、余計な力みが抜ける」感覚を確認しやすくなります。
Q. 今後のアップデートや研究計画はありますか?
A. 将来的には、演奏者に協力していただき、ファイバースコープの観察下で、演奏時の声門の状態を確認できたらな、と考えてはおります。新知見は随時ブログ・Facebook・note等で公開予定です。
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