※本ページは「Air S-Gate Method」の概要紹介です。詳細な理論・練習法・文献等は原稿全文をご覧ください。
目次
Air S-Gate Methodとは?
Air S-Gate Method(ASGメソッド)は、金管楽器演奏における“声門の状態”に着目した、独自の呼気制御技術です。
演奏現場での観察と実践、そして専門医からの助言をもとに、演奏家自身の視点から体系化されました。
従来の吹奏法では見落とされがちだった「声門(glottis)」に注目し、発声を伴わない状態での半閉鎖位という中間的な開度を再現的に活用。これにより、音色・息のまとまり・高音域の安定性などに明らかな変化が生まれることが、複数の演奏者の体験と実践から確認されています。
Sに込めた意味
メソッド名「Air S-Gate」の“S”には、以下のような複数の意味が込められています:
- small:繊細な調整と感覚の変化
- song:音楽性や表現とのつながり
- special:個人に応じた特別な調整
- sense:身体内部の微細な感覚を育てること
これらの要素が交差する“ゲート=声門”の意識こそが、演奏の鍵を握ると考えています。
Air S-Gate Methodの3つの特徴
ASGメソッドの特徴を3つ紹介します。
1. 医師の助言をもとに構想された、演奏現場発の試論
本メソッドは、耳鼻咽喉科の専門医らのご助言を得ながら、演奏者自身の実践を通してまとめられたものです。
あくまで演奏教育を目的としたものであり、医療行為や診断を意図するものではありません。
医学的誤解を避けるための表現整理や概念の明確化には、複数の医療専門家からの意見が活用されました。
2. 声門の“仕込み”によって息が変わる、音が変わる
楽器を吹く直前に、声門と声帯の状態を意識的に整える。
このシンプルな“準備操作”によって、呼気の質や音の立ち上がり、スラーの滑らかさに大きな違いが生まれます。
特に注目するのは、「声門の半閉鎖位」という、中間的な閉じ具合。この状態は、息を絞りながらも過度な緊張を避ける理想的なバランスとして働き、演奏の安定と省エネ化を両立させます。
3. 再現性のある効果と、世界的にも稀な体系化
20名以上の生徒による試行の中で、音色の変化、高音の出しやすさ、リップスラーの安定、息の持続力などといった、演奏上の改善が多数報告されています。
また、1956年のフィリップ・ファーカスや日本の学術研究でも「声門の開き具合」が演奏に影響を与える可能性が示唆されており、本メソッドはそれを実践に結びつけた極めて稀な試みです。
このようにASGメソッドは、医療的知見と演奏者の感覚・再現性のあいだを架け橋する、“音の準備室”としての声門を活かす演奏法として提案されています。
ご注意
・本メソッドは、演奏現場での再現的な実践に基づくものであり、医療行為ではありません。
・体感や効果には個人差があります。
ASGメソッドは、誰にでも効果がある「魔法の技術」ではありません。
けれど、あなたの中に眠る“もう一段上の音色・演奏”を引き出すための、「きっかけ」になる可能性があります。
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