ハイトーン苦手な人はまずこれ!シラブルを理解して取り組む「おしゃべリップスラー」

レッスン体験談 / 女性ホルン吹き / 社会人

どうもごんざです。
1年ぶりのブログ更新となりました。

これまで出張レッスンや単発レッスンの様子(※お客さまの声)は載せていたものの、継続してレッスンを受けてくださっている方の声を載せていませんでした。

ここ最近は継続レッスンが主なので、これからは普段のレッスンの様子も紹介していきます。現在コロナ禍で合奏もままならず大変な状況ではありますが、その中でも楽器を楽しんだり自分の腕を磨いている方がいらっしゃいます。

第一弾は、ぼくが2015年にこのブログを開設してから最初に継続レッスンを申し込んでくださった方との最近のレッスンの様子です

それではどうぞ!

 

以前受けていたレッスンについて

わたしは権左さんに月に1回、途中に休憩を挟みながら3時間のレッスンをお願いしています。今日はレッスンの様子を書いてみたいと思います。

まずは権左さんのレッスンに通うようになった経緯を。

 

それまではフリーランスのプロ奏者に45分のレッスンを月2回受けていました。このような感じのレッスンでした。

レッスンは先生のペースで進められます。
先生指定の教則本を1曲目から順番に家で練習してきてみていただきます。

先生の前で演奏し、
「八分の六拍子のテンポ感がないね」
「強弱もっとつけて」
「音色の変化に乏しい」
などといわゆるダメ出しをされます。

その場で再度演奏して合格すれば良いのですが何度演奏しても改善されないと「じゃあ次回まで練習してきてね」と言い渡されます。

 

今思えばある程度技術があって練習の方法がわかっている人向けのレッスンでした。

何度トライしても要求されたことができないときに部屋に漂う「先生、す、すみません。できなくて」な雰囲気。先生もさぞかし指示の通らないイライラを感じていらしたことでしょう。

こんなダメダメなわたしでしたので、レッスン4年目に入った頃には教則本の難易度も上がってきて、わからないなりに練習回数だけはこなしてなんとかその場しのぎでレッスンをやり過ごしていた方法にも限界が来てしまい、「ホルンの才能ないな」と悟りを開き、出来ていないことを指摘されるだけのレッスンもホルンも一緒に辞めて、何か違う楽しみを見つけようと、楽器を手放す手はずを整えました。

レッスンを受けるきっかけ

その頃権左さんは毎日ブログを更新していて、ホルンのことはもちろん硬軟織り交ぜたそれらの記事を読むのが、わたしの日々の楽しみになっていました。

その日もサイトに行って記事を読んだ後にふと「こんなレッスンする先生って本当にいるのかな」と思ったのです。

そして「もうホルンは辞めるけど最後にこの先生のレッスン受けてみたいな」と。

普段は人見知りで知らない人にメール書くなんて絶対無理なわたしですが、あの日思い切って「レッスン受けたいです」とメールを書いた自分を一生褒めてあげたいです。

初めて権左さんのレッスンを受けた日……提案されたいろいろなことを試したくて「早く家に帰ってホルン吹きたい!」って気持ちになってうれしかったことを今でも覚えています。

そんなこんなで権左さんのレッスンも5年目に突入しました。こんなレッスンを受けています。ある日のレッスンの様子を紹介します。

1、 Maxime Alphonse旋律的・漸進的な新しい200のホルン練習曲から2曲

Alphonseの教本は主にテクニカルな課題を解決する目的で取り組んでいます。レッスンはとてもフランクに進められます。

「ここの跳躍、最初の音と次の音のそれぞれで口、舌、息は具体的にどんな違うことやってるんですか?」なんて質問も遠慮なくしています。

質問に権左さんはかなり詳細に言語化して説明してくれます。

これを整理してトライ→フィードバック→さらに細かく言語化して説明してもらう→再度トライ……テクニカルな問題の解決はこれの繰り返しです。

できるようになったらなぜ今までできなかったのか、違うことをしていたのか思考も含めて整理しておきます。

この日は大きく下降したフレーズで低音をもっとハッキリ鳴らしたいという問題に取り組みました。

権左さんは「低音をクリアに吹きたいということは、低音に下降しても同じテンションで吹く必要があるということ。そのためには低音で口が開く分息を増やして息がゆっくりにならないようにします」とやるべきことを簡潔に説明してくれました。

権左さんはできていないところを指摘するときも「ここが吹きづらそうですね」とか「ここがちょっと気になるんですが」とオブラートにくるんで指摘してくれます。

こう言われると不思議と「そうだ、できないんじゃなくて吹きづらいだけなんだよ~」って思えます(笑)メンタルは大事です。「ああぁ~わたしにはできない~~~」と心が折れることはありません。

最近の課題は、アーティキュレーションを「書いてあるからやる」のではなく、曲想を考えて最終的に曲としてまとめるための表現の手段として自然につけていくことです。

 

2、 Kling 40の性格的練習曲から1曲

テクニカルな地雷があちこちに埋め込まれているのだけれど、ソロ曲といってもいいくらい優美で可憐なワルツ。

この曲に取り組むなかで低音で息がゆっくりになり過ぎていることや、スタッカートを舌に頼り過ぎな発音をしていることなどがあらわになり、呼吸や息について今一度整理しているところです。息のスタートと唇の振動にタイムラグがないようにするには?を追求中です。

 

3、 Gliere 4つの小品より1曲

発音、音の処理によりこだわり一つひとつの音を大切にフレーズを紡ぐような音楽的な演奏を追求しています。もちろんテクニカルに困難なところはその都度立ち止まって丁寧に確認しながら進みます。

より美しいレガートを……のレッスンでは音程を広くとらえ過ぎていた思考を指摘され「流しっぱなしの息で指の操作だけで音を変えるくらいのイメージで」との提案でなめらかにフレーズを吹けるようになりました。

レッスンはいつも、「生徒がそれをできないのは自分の説明が足りていないから」というスタンス。

レッスンで「この前も同じこと言ったけど」という枕詞が権左さんの口から出てくることはありません。

わたし以上にわたしを信じてできるようになる方法を一緒に考えてくれます。


4、 Rasmussen Instrucktive Duettenより3曲

最後の30分は権左さんとデュエット。
このコロナ禍で所属する団の合奏もまったくない状態であり、ホルンはハーモニーの楽器だと思っているわたしにとって、権左さんとのデュエットの時間はあの「音が溶けあう」感じが味わえるとても貴重な時間となっています。

普段は孤独な個人練習ばかりなのでここで「聴きあって演奏する」感覚を失わずに済んでいると思っています。自分よりもはるか先を行く人とアンサンブルできるだなんて心躍ります!レッスンの一番のお楽しみタイムです。

このような感じであっという間に3時間のレッスンは終了します。長く通っているのでわたしの思考の癖や苦手な音域音型などもお見通し。

 

「うまくやらなきゃ」のような緊張を強いられるような雰囲気はみじんもありません。

わたしの知りたいことやりたいことを尊重してくれるオープンでフレンドリーなレッスンです。まさにオーダーメイドのレッスンだと思います。