レッスン体験談/20代ユーフォニアム奏者/音大生

私は音楽大学でユーフォニアムを専攻している音大生です。

権左先生には月に1回程度、90分のレッスンをお願いしています。私が最初に先生にレッスンをお願いしたのは今から2年ほど前です。

レッスンを受けるまで

私は小学生の時に金管バンドでユーフォニアムを始めました。ユーフォニアムを始めたばかりの時は「楽器って楽しい!」くらいしか思っていませんでしたが、中学に進み進路を迷う中、ユーフォニアムの演奏家になることを決意し、高校は音楽の専門の勉強ができる学校へ進学しました。

その後高校時代のあるとき、部活でとても難易度の高いソロを任されることになりました。人一倍責任感の強かった私は「なんとしてもみんなのためにも最高の演奏をしなくてはいけない」と必死に練習しました。

しかし、ある合奏で思いきり外してしまったのです。その時先生は「外すなよ!」と私に言いました。特に強い言い方でもなかったのですが、この経験から「外す」という行為がとても恐ろしくなりました。

その後何度かあった本番では上手くいくこともありましたが、「間違えてはいけない」という強い感情に支配されてしまい、あんなに楽しかった音楽が全く楽しめなくなっていました。

 

そして進路を考え出す時期。
「プロになりたい」という思いはかろうじてあり、難関と言われる音楽大学への進学を目指すことにしました。この頃は正直、もう音楽を楽しむことはできていませんでしたが、「技術がもっと身につけば失敗しなくなって音楽を楽しめるだろう」という考えのもと必死に受験に向け練習をしました。そして自分なりに全力で入学試験に臨みました。

しかし、結果は不合格…。
他の大学を受けていなかった私は自動的に「浪人」という選択を取りましたが、この時にすべてが嫌になってしまい、挫折してしまいました。その後、なんとなくの流れで全く希望していなかった音楽大学に入学が決まったわけですが、正直、心も体もボロボロの状態でした。

 

権左先生に初めてのレッスンをお願いしたのはちょうどこの頃です。その頃は、なんとか音楽を楽しめるようになりたいとの一心でいろいろな本を読んだり、インターネットの記事を見ていました。そしたらたまたまこの記事に出会います。

音楽業界での挫折、その後再び音楽に携わるまで

ここには挫折の対処法だったり、元気が出る方法!なんてものは全く書いていなかったのですが、(すみません笑)苦しんでいる自分と何か重なるものを感じ、とても興味を持ちました。

そこからは権左先生のサイトをたくさん読みました。記事の中には自分が悩んできた奏法に関するものもたくさんあり、「実際にレッスンを受けてみたい!」と強く思ったんです。

楽器も違うし悩みましたが勇気を持ってレッスンを申し込み、受けることになりました。

初回はとても緊張したのですが、権左先生のあたたかい人柄もあり、すぐに緊張はほぐれました。ここから現在に至るまでレッスンを受け続けています。

普段のレッスンの様子

レッスンでは私の悩み相談から始まります。
大学では普段ユーフォニアムのプロの先生についてはいますが、できないところばかり指摘され、「どうやって、どのように」改善するのかはあまり教えてくれません。「ちゃんと練習しとくように」とばかり言われてしまいます。

うまくできないのは自分自身わかっていて、練習ももちろんします。それでもできなくて困っているんです…。その部分を権左先生に相談していきます。

すると、かなり長い時間をかけて今の状況を把握してくださいます。どんなところの筋肉を使っていて、息はどんな感じで、舌はどんな状態で…と挙げたらきりがないですが、とにかくとても細かく確認していきます。そしてだいたい私が気がつかないうちに、全く意識していない場所に力が入ってしまっていたりするんです…。

時間をかけて悩みの原因と思われるところにたどり着いた時、権左先生が今までの吹き方を否定することはありません。

「どうしてそういう吹き方をしていたのか考えて、もっと違うやり方を考えてみよう!」と一緒に考えてくださいます。

自分一人で長い間悩んでいたことが、90分のレッスンで問題の解決の見通しがいつも見えてしまうのは毎回ながらとても感動します…。

 

私はユーフォニアム奏者で権左先生とは楽器が違いますが、先生は実際にユーフォニアムを構えたり、マウスピースを吹いてみたりしながら、様々な提案をしてくださいます。

通常の楽器のレッスンでは考えられないくらい対話を重視し、一つの価値観に縛られずにいろいろな方法を先生と一緒に探すことのできる、本当に数少ないレッスンだと感じています。

 

レッスンを受けるようになって

先生のレッスンを受けるようになって2年経ちますが、最近実感できるほど変化が出てきました。

技術に関してはもちろんこれまでもたくさんの変化がありましたが、何より楽器演奏に対する思考が大きく変わりました。

「〇〇しなくちゃいけない」
「〇〇ができなくてはいけない」

といった思考がかなり強かった私ですが、権左先生のレッスンを受ける中で、

しっかりと現状把握(今何が起きていてうまくいっていないのか)

次に作戦を考え(今こうなっているから試しにこうしてみよう、こうやってみたい!)

そして最後に実行して結果を見つめる(うまくいったかどうか確認する)

という、自分を責めない思考ができるようになりました。

この思考のおかげで、2年前と比べると格段にバテるスピードが遅くなったり、息を流すことに注目できいい音が鳴らせるようになったり、そして何より「音楽すること」に集中できるようになり「音楽が楽しい!」と心から思えるようになりました。

 

「音楽が楽しい!」と思えたのは自分の中でとても大きな変化であり、権左先生のレッスンを受けなければきっともう一生感じることのなかった感情だと思います。

そして「もっと上手くなりたい!」という高校時代の気持ちも少しずつ蘇ってきました。それは高校生の時のようなエネルギー溢れた気持ちとは少し違うかもしれませんが、あのときのように自分を責めることはなく、純粋に「もっと音楽をしたい」というシンプルな気持ちです。

今現在は、音楽と共に生きていこうと強く思っています。そしてまだまだ改善したい点があるので、これからも権左先生のレッスンは受けていくつもりです。

 

私が変われたように、現在、思うように演奏ができずどうしたらいいのか困っている人や、本当は音楽がしたいのになかなか技術が邪魔をしてしまい楽しい気持ちがなくなってしまった人には、是非一度レッスンを受けてみることをおすすめします。

きっと想像もしていなかったくらい、楽しく音楽ができるようになること間違いなしです!