どうもごんざです。
いつもブログやXを読んでくださったりレッスンに来てくださったり、本当にありがとうございます。
今日はお知らせがあります。
このたび電子書籍『吹いてないときのこと、ぜんぶはなす。 ―ぼくが「演奏家」をやめた、たったひとつの理由』をAmazon Kindle Unlimitedで出版しました。
タイトルを見て驚いたかもしれません。そして「吹いてないときのことって、何の話?」と思った方もいるかもしれません。
この本はホルンの奏法や具体的な練習メニューの本ではありません。
じゃあなんの本なのか。
これはぼくがフリーランスの音楽家として生きていく中で、ステージの上ではなく、その「舞台裏」で考えてきたこと、試してきたこと、そして壮大に失敗してきたこと――そんな「吹いてない時間」を言葉にして詰め込んだ、ぼく自身の物語であり、告白のような本です。
今日はこの本について少しだけ話をさせてください。(今回出版した本は、noteというプラットフォームで、半年間に渡って毎週更新していたものをベースに、全編を推敲し直したものです。)
この本は「奏法」や「練習法」の本ではありません
ぼくはブログやレッスンで2015年から奏法や練習法、考え方についてかなり発信してきました。
ですがブログにはそれ以外の記事もあるのでご存知の方もいらっしゃるとは思いますが、ぼく自身「音楽家」として悩んできたことは、純粋な技術以外の部分にもたくさんありました。
- ソロコンクールで突然右手が震え、心が折れて音楽をやめた話。
- 「おまえが来てくれたら嬉しい」と誘われ、ソムリエを目指した話。
- 大好きな先輩の急逝をきっかけに、誰にも言わずに音楽業界に戻ってきた話。
- そして音楽に戻ってきてから直面した、数々の「どうしたらいいんだ?」という悩み。
- 出張レッスンを「どうせ呼ばれないなら、自分で行ってやる」と始めた話。
- 「そろそろ誰か呼んでくれるだろ」と調子に乗って自主開催をやめたら、依頼がマジでゼロ件だった挫折の話。
こういう話ってたぶん普通の演奏家はあまり口にしません。でもぼくはこういう泥臭い部分もいつか伝えたかったんです。
この本はそういう「吹いてないときの悩み」と、ぼくがどうやってそれを乗り越えてきた(あるいは、今もあがいている)のかを、ぜんぶ書いた本です。
内容紹介を少しだけ。
目次だけ紹介するとこんな感じです。
第1部
第1章『そば屋ですべては始まった』
第2章『音楽が「最高の居場所」になるまで』
第3章『大切なことは、ぜんぶバイトから学んだ』
第2部
第4章『自分の値段を自分で決めた日』
第5章『「興味ある方はDMで」って、時価の寿司屋かよ』
第6章『呼ばれないなら、行ってやる』
第7章『大見得切ってやめたのに、誰にも頼まれずに戻ってきた話』
第8章『読んだ人も書いた人も、嬉しいレビューのかたち』
第3部
第9章『悩んできたから、ぼくはレッスンに向いていた』
第10章『生徒が自分らしくあるために。』
第11章『「あったら嬉しい」を、つくり続ける』
第12章『破綻から生まれた「異常な診断能力」』
第13章『レッスンとは、教える場ではなく「開発する場」である』
第4部
第14章『圧倒的遠回りでたどりついた、「練習する意味」』
第15章『「メソッド」と呼んでいいのか?』
第16章『「一流レストラン」ではなく「路地裏の専門店」であれ』
ぼくのブログを読んでくださっている方でしたら、第10章の「レッスンで横並びに座る理由」や、第11章の「レッスン時間を30分多く確保する理由」などは、「ああ、あの話か」と思っていただけるかもしれません。
でもこの本では、なぜぼくがそういう「一見必要なさそうなこと」や「あったら嬉しい」を大事にするようになったのか、その根っこにあるぼく自身のコンプレックスや、バイト先での経験、コールセンターで3万件の電話を受けた経験までさかのぼって、すべてを言語化しました。
そして音楽業界の「当たり前」に対するぼくなりの違和感。
「レッスンに興味ある方はDMください!」
これ、なんで値段を書かないんでしょうか。時価の寿司屋じゃないんだから。自分が受ける側だったら不安でしかないですよね。だからぼくは全部明記する。
「コンクール受賞歴や留学歴がないと仕事はなかなか難しい」
本当にそうでしょうか。ぼくは、輝かしい経歴を持つ「一流レストラン」じゃなくて、特定の悩みに誰より深く寄り添える「路地裏の専門店」にこそ価値があると思っています。
そんなフリーランスとして活動する上での「戦略」や「思想」についても、かなり踏み込んで書いています。
制作背景と書いた理由
この本どころかぼくの活動のすべての始まりは、バジル・クリッツァーさんに言われた一言でした。
「ブログ始めてみたら? ごんざさんなら書けることあるんじゃない?」
あのときもし「自分には実績がないから」「自分なんかが書いてもな」とためらっていたら、今のぼくは絶対にありません。
何も持っていなかった。演奏家としてのキャリアも、自信も何もなかった。
でも「悩んできた経験」だけは誰にも負けないくらい持っていた。
いじめられて居場所がなくてひたすら本を読んでいた小学生時代。家にも学校にも居場所がなくて、音楽を「緊急避難所」にしていた中学・高校時代。音大に入っても「自分の頭で考える」ことを知らなかった時代。先生の言う「感覚」がわからなくて、20年以上もがき苦しんだこと。
「こんな経験、何の役にも立たない」
「むしろコンプレックスでしかない」
ずっとそう思ってフタをしてきた過去の「悩み」や「破綻」こそが、ぼくのレッスンやブログの核にある「言語化力」等の源泉だったんだと30代になってようやく気づきました。
かつてのぼくと同じように「感覚という名の呪い」に苦しんでいたり、「自分には何もない」と立ちすくんでいたりする誰かのための、「処方箋」にもなればいい、と思って書きました。
こんな人に届いてほしい
この本はもちろんホルンを吹いている方に読んでいただけたら嬉しいです。ですがそれ以上に、こんな方々に届いてほしいと願っています。
フリーランスとして活動している(したい)すべての音楽家
- 自分の「値段」の決め方に悩んでいる人。
- 集客や発信の方法がわからず、「DMください」としか書けない人。
- 「華やかな経歴」がないと戦えないと思っている人。
指導やレッスンという「場」について考えている人
- 生徒が自分らしくいられる「空間のデザイン」に興味がある人。
- レッスンを「教える場」ではなく「開発する場」として捉えたい人。
過去のぼくと同じように、今まさに悩んでいる人
- 「先生の言う“感覚”がわからない」と苦しんでいる人。
- 自分のコンプレックスや悩みは、何の役にも立たないと思っている人。
音楽家でなくても、個人で仕事をされている方や、自分の「弱み」をどう「強み」に変えたらいいか模索している方にも、きっと通じる部分があるんじゃないかと思っています。
おわりに
この本はAmazonの「Kindle Unlimited(読み放題サービス)」に登録しています。Unlimited会員の方は無料で読めます。
まだの方は、こちらから30日間無料体験できます▽
(Kindleアプリをスマホやタブレットに入れればすぐに読めます)
ぼくが「演奏家」をやめた理由。
そして、なぜ今「レッスン」という形で音楽に向き合い続けているのか。
その答えがこの本にあります。
もし読んでいただけたら、X(旧Twitter)やブログ、facebookなどで一言でも感想をもらえると泣いて喜びます!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
それではまた!



















ごんざゆういち
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