盛岡出張レッスン| 5/10.11(土・日)開催のお知らせ

金属アレルギーでも金管楽器を続けるために──ダイヤモンドブラスとの出会い

どうもごんざです。
だいぶ前にはなりますが、金属アレルギーの問題について、これまで3回にわたりお話ししてきました。

1回では検査を受けてアレルギーが判明した経緯、第2回では楽器やマウスピースに使われる金属とそのリスク、そして第3回では具体的な対策や対処法について紹介してきましたので、興味のある方はのぞいてみてください。

管楽器奏者と金属アレルギーの関係 ー金属アレルギー検査編ー

管楽器奏者と金属アレルギーの関係 ー楽器やメッキに使われている金属編ー

管楽器奏者と金属アレルギーの関係 ー対策と対処編ー

これらの記事では、ぼくがクロム、ニッケル、スズ、コバルト、金、プラチナといった複数の金属にアレルギー反応を示し、演奏するほどに唇が腫れてしまうなどの症状に悩まされていたことと共に、検査についてや費用、対策についてお伝えしてきました。

特に、マウスピースの素材やメッキに含まれる金属が直接的な原因となり、演奏に支障をきたしていることも分かってきました。

今回は、これらの問題をクリアするために、HMG金管楽器技術の「ダイヤモンドブラス」マウスピースにたどり着いた経緯と、その使用感についてお話しします。

ブレゼルマイヤーのマウスピースと個体差の壁

これまで愛用していたブレゼルマイヤーのマウスピースは、音色や吹奏感が好みでとても気に入っていました。

しかし素材の影響からか金属アレルギーに悩まされており、(このままではいかん)とはなっていて。そこでいろんなメッキの可能性を探るべく、メッキ工場や楽器店の方に相談しながら検討しました。

その上で、現状同じマウスピースを使い続けながら金属メッキで症状を抑えるなら純パラジウムメッキくらい、ということになり、純パラジウムメッキをマウスピースに施すことを検討はしていました。

ただ、パラジウムは硬い金属で、マウスピースに使用することがないので、うまくかけられたとしても割れてしまう可能性と、音色や吹奏感の変化がわからないこと、あと一番問題なのは、使っていたマウスピースがハンドメイドのため、スペアを用意して一本メッキをかけてもらう、としたくても個体差が大きく、同じ型番でも吹奏感がかなり異なってしまい、スペアが見付からなことが懸念材料でした。

そのため、メッキを施すところまではいけていなかったんです。

その間はネイルに使う、ジェルのトップコートを定期的にリムに塗ることでしのいでいました。これだけでも通常のアレルギー反応が10だとしたらくらいにはなりました。

ただ1時間くらい吹くと唇が熱を持って腫れてしまう、そんな状況は続いていました。

ダイヤモンドブラスとの出会い

そんな中、岡山のテレマン楽器の運営するレマンテブラスで、HMG金管楽器技術が製作するホルンマウスピースが「ダイヤモンドブラス」(ダイヤモンドコーティング)で販売されていることを知りました。(ネロ楽器でも既存のマウスピースにダイヤモンドブラスを施したものや、委託でコーティングがかけれることは知っていました。)

このマウスピースは、金属表面に炭素系の超硬質コーティング(ダイヤモンドコーティング)が施されています。ダイヤモンドコーティングは、医療器具にも使用されるほど安全性が高く、金属アレルギー反応が出にくい、とされています。

R4aラージボアの選択理由

そんなHMG金管楽器技術のマウスピースのいくつもあるモデルの中から、ぼくが興味を持ったのは「R4aラージボア」でした。

その理由は、

これまで使用していたブレゼルマイヤーと同じボアサイズであること

同じVカップ形状で、息の入りや吹奏感が近いであろうこと

内径を当時の17.6から少し大きくしたいな、と思っていたところ、R4aが17.75だったこと

これらの条件を満たしてくれていたので、これまでの演奏感を維持しつつ、金属アレルギーのリスクを軽減できるのではないか、と考えました。

気になっていた型番のマウスピースが1本だけあった

ただ、いざ欲しい型番のマウスピースをLemante Brassで検索しても見当たらず(在庫があるかどうか分からず)、どうしたものか。フリマアプリを見てみたり、HMG金管楽器技術さんに直接問い合わせてみようか、と悩んだりもしましたが、ええい、とりあえずテレマン楽器に問い合わせちゃえ!ということで、電話しました。

ごんざ
(挨拶)サイトには掲載されていないようだったのですが、ホルンのマウスピースのHMG、R4aのラージボアが気になっていて〜(以下略)
店員さん
え、数分前にもまったく同じ型に関するお問い合わせがあってびっくりしたのですが、1本だけ在庫ありますよ
ごんざ
(え、そんなことある?!誰だろうそれ。そんなことより運が向いてきたぞ)え、そうなんですね。ちなみにダイヤモンドーコーティングされているR4aのラージボアはありますか?

と駄目元で聞いてみました。

店員さん
それも先ほど問い合わせで聞かれたのですが、その一本がダイヤモンドコーティングなんですよ

とのこと。
もう俄然欲しくなりましたが、試奏せずに購入は値段的にもさすがにためらわれたので、無理を承知で聞いてみました。

ごんざ
とても興味があって購入を検討しているのですが、伺って試奏がなかなか難しくて….
店員さん
あーそうなんですね。モノがモノなので、届いて3日以内でしたら送料自己負担で返送していただければ大丈夫ですよ

とありがたいことに言ってくださったので、「ではおねがいします!」と即答しました。(無理を言ってすみません。)

送ってもらったものを吹いてみたら、あまりにもシンデレラフィットでびっくりして、即購入の連絡をさせていただきました。

まあそのあとマウスピース沼にはまりかけたのですが、それはまた別の話…。

使用感とその効果

実際にダイヤモンドブラスのマウスピースをしばらく使用してみると、唇が熱を持ったり腫れてくる感じ、違和感はほぼほぼ解消されました。

え、みんなこの世界にいるんですか?

が正直な感想。

初めてのコーティングではありますが、音色や吹奏感もこれまでと遜色なく、むしろコーティングによるものなのか、リムを唇に当てた際のグリップ力というかフィット感が結構しっかりしていて好みでした。

おわりに

金属アレルギーに悩む金管楽器奏者にとって、マウスピースのメッキは非常に影響がありますし、重要です。いつ発症するか分からない、というのも曲者。

その対策として、リムだけ樹脂加工や、アレルバスター加工、チタンコーティング、木のマウスピース等、いろんな選択肢が今は増えてきました。

そんな中でHMG金管楽器技術ネロ楽器で取り扱っている「ダイヤモンドブラス」マウスピースは、有力な選択肢の一つです。

金属アレルギーという、演奏における重大な悩みの一つが解消または大幅に軽減されることで、楽器への向き合い方から音楽への向き合い方まで、大きく変わってきます。同じような悩みを抱える方々の参考になれば幸いです。

とりあえず楽器を吹ける時間が飛躍的に増えて、練習時間が倍になりました。びっくり。楽器吹くの楽しい。

 

 

それではまた!