音楽家とオーケストラの不思議な関係ーN響団友オーケストラでの出来事ー

クラシック音楽に限らす、少しでも音楽を聴く方は思い出に残る曲や、ついなんども聞いてしまう曲ってありますよね。

ぼくにも強く印象に残っている曲があります。

フォーレ作曲の「レクイエム ニ短調作品48」です。

この曲はN響団友オーケストラにエキストラとして参加させていただいた際に、音楽家とオーケストラの不思議な縁を感じた曲なので強烈に印象に残っているんです。

N響団友オーケストラでの出来事

大学を卒業したばかりの頃、当時同級生の師匠だったトランペットの北村源三先生と一緒に金管五重奏を何度か演奏する機会に恵まれました。

そんな縁もあってか、ある日北村源三先生からご連絡をいただき「この日空いてない?オーケストラのホルンを2人探しています」とお話をいただきました。

 

予定も空いていたので二つ返事で「空いてます!よろしくお願いします!」と引き受けたオーケストラの仕事。N響団友オーケストラのお仕事でした。

N響団友オーケストラとは、

N響団友オーケストラは1982(昭和57)年にN響団友のクラリネット奏者西村初夫、同オーボエ奏者川本守人、同チェロ奏者常松之俊らによって結成、創立されました。

N響団友メンバーを中心とし、N響現役メンバーやその他の優秀なプレーヤーによって編成されています。結成以来全国的に数多くの演奏活動を行っています。

青少年の音楽教育のための演奏をはじめ、一般のコンサート、オペラ、バレエ、ボランティア演奏等に、小編成アンサンブルから大編成のフルオーケストラまで、広範囲のプログラムで好評を博しています。 出展:N響団友オーケストラ

※N響団友とは、NHK交響楽団に永年在籍して定年退職した人、10年以上コンサートマスターとして在籍した人、及び在籍中特に功績を認められた人がN響から与えられる名称です。

NHK交響楽団のOBの方が中心となって結成されているオーケストラです。

 

この仕事で演奏する曲目の中に、フォーレ作曲の「レクイエム ニ短調作品48」があったんです。

本番当日の朝、突然の訃報

静けさのある朝

リハーサルを終え、当日の朝。
みんなが本番前に楽屋で準備をしていたところ突然の訃報が飛び込んできました。

 

「バーチが亡くなった」と。

 

「バーチ」とは長年に渡って日本のホルン業界を牽引してきた千葉馨先生の愛称。日本のホルン業界の草分けの方で、NHK交響楽団でも主席として長く活躍なさった方です。

千葉馨先生はホルンの神様と言われている伝説のホルン奏者「デニス・ブレイン」にレッスンを受けた唯一の日本人。

千葉先生がデニスブレインとの出会いについて話しているとても興味深いインタビューがあるので、よかったらのぞいてみてください。→千葉馨インタビュー

 

直接千葉馨先生にお会いしたことがあるのは一度だけでしたが、中学校の頃からCDで演奏は聴いていました。

日本人離れした音色でこんなにもやわらかくてあたたかいホルンの音色は聞いたことがないです。

聞いたことがなければこの機会にぜひ聞いてみてください。

14:44からの第2楽章の演奏。
心に染み渡る素晴らしい音色。

 

 

千葉馨先生が亡くなったその日に、先生と長い時間を共にし戦友でもあるオーケストラのメンバーがたくさんいらっしゃるN響団友コンサートでレクイエムを演奏する。

こんなことってあるのでしょうか。不思議な縁を感じました。

おわりに

皆で静かに黙祷したのちに演奏したフォーレのレクイエムは、これまでどこで聞いた演奏よりも深く、心に残るものでした。

以前、NHK交響楽団のホルン奏者の一色隆雄先生が若くしてお亡くなりになった当日も、NHK交響楽団はチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」を演奏したそうです。なんだか不思議。

音楽家とオーケストラ、見えない絆で結ばれているようですね。

 

 

 

それではまた。

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