右手親指が腱鞘炎のアルトサックス吹きとのレッスン

どうもごんざです。
アルトサックス吹きの方がレッスンに来てくださいました。

お悩みは

サックスさん
右手の親指が腱鞘炎になってしまい、楽器を吹くのがツライです。

とのことでした。
普段教わっている先生がいらっしゃるとのことでしたので、

ごんざ
先生には相談したんですか?

と聞くと、

サックスさん
以前他の人が同じような症状で悩んで先生に相談したら『構え方が悪いんだよ』と言われ話は終わってしまったので、自分もそう言われそうで相談していないんです…
サックスさん
お医者さんに相談したら『なるべく右手親指を使わないように』と言われました。
ごんざ
(そういう経緯があったら確かに先生には相談しにくいし、お医者さんに相談すればそう言われるだろうな…)

木管楽器の方が右手の親指を痛めてる、と聞くとぼくは真っ先にクラリネットの右手の親指を思い出します。

クラリネットはストラップを使わない限り、どうしたって右手の親指で楽器を支える必要があり、重さがそこに集中します。以前、ぼく自身が勉強のためクラリネットのレッスンを受けたときに、いくら持ち方を工夫しても右手親指が痛んだ記憶が蘇りました。(いろんなクラリネットの人に右手の親指について話を聞いてみたところ多くの人には『慣れだよ』と言われました)

で、まずいことに今回その先入観からレッスンを始めてしまいました。

のちのち、先入観があると時として遠回りになる。そんなことにも気づかされたレッスンでした。レッスンの前半は右手の親指の向きや楽器を支える場所にこだわって、起きていることから遠ざかってしまいました。問題はそこではなかったんです。

ストラップの使い方にカギがありました。

右手の親指の向きと位置

その方は楽器を始めて5年目。

最初の3年は体の右横に楽器を構えており、その構え方の時は右手の親指に痛みを感じたことはなかったそうです。

4年目に入ったところで足と足の間に楽器を構えるように変えたところ、右手の親指が痛み始めたそうです。

なぜ構え方を変えることで痛みが生じたのか、この時点ではまったくわかりませんでした。

ただ、右手の親指に関して、支えやすい親指の向きの場所がある、ということは知識としてありましたのでまずはそれを試してみました。ですがサックスの場合、その親指の向きにすると他の指でのフィンガリングがしにくくなりました。

なるほど。
ぶっちゃけると、この時点でぼくの中にあるレッスン引き出し【右手親指 】のたくわえはなくなりました(はや)

ここからは総力戦です。
わからなければ深く話を聞き、考えつくあらゆる手を試し、自分でも体験し、編み出すしかありません。

自分で構えて試してみる

楽器を持たせてもらい、構えてみました。しばらく楽器を構えているとあることに気づきました。

腱鞘炎の方は楽器を持つとき右手の親指について、

サックスさん
親指を使って上に向かって楽器を持ち上げています

と説明してくれていたのですが、ぼくが構えてみても、その方向に右手の親指を使う必要が感じられなかったんです。親指の力はどちらかというと前にかける必要があるように感じました。

試しに言っていた通りに親指を使って楽器を上に持ち上げてみると、相当親指に負荷がかかり、慢性的に痛むであろうことはその日初めてその構え方をしたぼくにもわかりました。

ごんざ
楽器を構えるとき、右手親指で楽器を持ち上げる必要はありますか?むしろ前に力をかけませんか?

と聞いてみても、

サックスさん
・・・?

どうもしっくりきていないようでした。話が噛み合わない時いつも考えるのは、きっと前提がどこかで違っているのだろう、ということ。
どこで話が噛み合わなくなっているのかわからなかったので、何度も楽器を貸り構えさせてもらいました。

そのうちにまたひとつ気づいたことがありました。

アルトサックスにおけるストラップの役割って?

気づいたことは、(アルトサックスって楽器を構えるのにストラップを使っているので、そもそも親指で楽器を支える必要ないよね?)ということでした。

ぼくがアルトサックスを構えてみると、体感としては楽器の重さはほとんど肩にきています。(親指どうしてそんなにがんばるんだろう。。)と疑問に感じました。

重さのバランスはざっくり表現するなら、肩に8割、右手親指に2割くらいのバランスでした。

それを相手に伝えてみると、

サックスさん
えっ、私は肩に2割、親指で8割くらいの重さのバランスで楽器を支えています

とのこと。

ごんざ
・・・!
(もしかしかたら肩の分まで親指ががんばってるから痛いのかも・・・!)

相手の悩んでいることを一緒に考えて体験して考えて、ほんの少し光が射してきたこういう瞬間が、ぼくはたまらなく好きです。

ごんざ
そりゃ親指痛くなりますね!親指の重さを肩に肩代わりしてもらいましょう!

と伝えました。(とっさに出た底冷えするオヤジギャグは見事にスルーされましたありがとうございました)

ストラップの長さを調整する

ではどうして肩ががんばる分まで親指ががんばっていたのか。その原因はストラップの長さにあったようです。

ストラップが長すぎると、その人が吹きやすい楽器の高さよりも低いところに楽器があるので、右手親指で楽器を持ち上げないと吹きやすい高さに楽器が合わなくなります。ストラップが役割を果たしていないんですね。そうなると肩に重さはこず、親指に重さがきます。

新しい構え方にアップデート

なのでまずはストラップを楽器に付けた状態で肩にかけたら、右手親指を楽器から離してもらい、左手で楽器を支えてもらいました。こうすればまずは楽器の重さはほとんど肩にきますよね。

ここで重さをしっかり感じてもらいます。

次に、自分にとって吹きやすい高さに楽器がくるよう、ストラップの長さを調整します。(今回は短くしました)

高さの調節ができたら右手の親指の出番です。楽器を持ち上げる、というよりは吹きやすい角度の調節をする感じです。

そうして構えてみると、

サックスさん
右手の親指がすごく軽いです!フィンガリングもすごく楽に速くできます!!

と弾ける笑顔で教えてくれました。

おわりに

起きていたことだけシンプルに言うと、

ストラップがその人にとって長すぎて、楽器が吹きやすい高さより低く、右手親指で楽器を持ち上げて演奏していたため指を痛めてしまった。

こういうことだと思います。

ストラップって楽器が落っこちないようにくっつけておく命綱ってよりも、重さを分散させてくれる役割があるんだと思います。

今回の件、もしかしたら一目見てわかることなのかもしれません。ですがぼくは今回(右手の親指の向きと支える位置かな)という先入観で遠回りしてしまい、何度も実際に楽器を構え、注意深く本人の話を聞くことでやっと何が起きているかわかりました。

もし右手の親指が痛くて悩んでいるサックスの方がいましたら、ストラップの長さを変えることで楽になることがあるかもしれません。





それではまた。

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