レッスンを受けてこんな経験をしたことありませんか?

 

「レッスンではできたのにそのあと自分でやろうとしてもできない・・おかしいなあ。」

「レッスンで言われた通りにやっているのにうまくならない。自分には才能がないのかな」

 

ぼく自身、長い間こう思いながらレッスンを受けてきました。

レッスンではできたのにその後になるとできない。言われた通りやっているのにできない。
どちらもツライですよね。

でも安心してください。

うまくいかないことには理由があります
あなたの才能がないのではありません。
ここに才能は関係ないんです。

 

今日は誰も教えてくれない、「レッスンを受けるとはどういうことか」をお伝えします。
レッスンを受ける、ということは「自分の中の先生を育てていく」ということなんです。

レッスンを受けたら自動でうまくなるわけではない

ひまわり

レッスンを受けるからうまくなるわけじゃないんです。
レッスンは「やり方」を学ぶ場所なんです。

 

演奏がうまくいくやり方。
奏法を学び自分の合うものを見つけていくやり方。
いい音色を出すためのやり方。
もっと楽に吹けるようなやり方。

 

変えていく、変わっていくのはあなた自身です。

先生は魔法使いじゃありません。
先生があなたを変えるのではないのです。

うまくなるためにはあなた自身の力が必要

パワーが必要レッスンを受けてその場ではうまくいったのに、自分で試してみるとうまくいかない。

「おかしいなあ・・」

ぼく自身この繰り返しでした。
でもあるとき、なぜレッスンではできるのに自分でやるとできないのか気付いたんです。

長い時間かかってようやく気付けました。
気付いている人はたくさんいることです。

 なぜ自分でやるとできないのか

それはレッスンであなたが「言われたことをただやっていただけ」だったからです。

あなたが演奏で何かうまくいかないことがあるとします。
それについて先生がレッスンでアドバイスをしたとしましょう。

◇◆◇

あなたの演奏で例えばどこかの場面でスラーがうまくいかないとき。

先生が「もっとスラーがなめらかになるといいね」と言いました。

そこであなたは「わかりました」と言って(よし、もっとなめらかに吹こう)と演奏したらうまくいったとします。

うまくいったのでこれからは、うまくいかなかったら「言われたことを思い出せば大丈夫!」と思ってあなたはレッスンを終えました。

◆◇◆

ーレッスン後ー

 
レッスンから戻ってきて練習していたあなたは、さっきなめらかにできたはずのスラーが、またうまくいきませんでした。
さっきうまくいった時に考えていた(もっとなめらかにスラーを吹こう)を思い出して吹いてみます。

でも、思ったようにうまく吹けませんでした。
ここであなたは考えます。 

「あれ、おかしいな、さっきはこれでうまくいったんだけど・・」

 

「こうしたい!」という望みがあって演奏することはとてもステキなことですし、いつも最初に持っていてほしい大切な気持ちです。ですが、言われたことを思い出すだけではうまくいかないのです。

何を変えたら変化したのか自分で知ることが大切

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重要なのは、あなたが先生からアドバイスを受けたときに何を変えたら変化したのか、です。
レッスンで先生の言葉を聞いて、あなたの演奏が自動で変わるわけじゃないですよね。
何かが変わったから演奏が変化するんです。

「何も変えてないのに言葉を聞いたら自然とできたんです」って魔法使いの先生がいたら紹介してほしい。レッスン通います。

 

ぼくがレッスンをしていて生徒にアドバイスした後、演奏に変化があったらいつも聞きます。

「何を変えたら(考えたら)うまくいったの?」

自分で変化を感じそれを言葉にすることができれば、それはあなたの演奏の引き出しになります。

自分で練習したときにうまくいかなくても、レッスンでうまくいかなかったときに、こう考えて試してみたら変化が起きてうまくいった、という引き出しを使えます。

 

レッスンはこのように自分の引き出しを増やしていく場であってほしい
そのためにできるだけ自分の言葉で表現してほしい。
言葉にすることで、それがあなたの引き出しになります。
だから言葉にすることは大切だとぼくは考えます。

 

でも「以前うまくいかなかった時これを考えたらできた。だから以前考えた通りにやってみればできるはず」とやっても「よし、できた!」にはつながらないこともあります。

はまりやすい落とし穴なんですが、考えてもみてください。
今は以前と同じ状況ではないから同じ方法でできなくても不思議じゃないんです。

あたまに「?」が浮かんでますか?

 

「じゃあどうすればいいの?」になりますよね。

ひたすらうまくいく方法を探す。

考えるんです。

 

うまくいかなかったら別の方法を考える。

 

上達への道筋は基本、この繰り返しなんです。
ただし「あのときなぜうまくいったのか」ということが分かっていれば近道にはなるよ、ということ。

この考え方をぼくは自分の中の先生を育てる」と言っています。

自分の中の先生?

水たまりに映る自分自分の中の先生ってピンとこないですか?

例えばあなたが何かを演奏したとします。
あまりうまくいきませんでした。

「次は◯◯してみよう!」って思いますよね。
はい、この指示出してるのがあなたの中の先生です。

音を間違えたとき「なんで音間違えるんだよ!このグズ!」って思ったとします。
はい、これもあなたの中の先生です。

何かあったとき「じゃあ次こうするべ」って言うのもあなたの中の先生

 

あなたの中に今いる先生は、今まで出会った人たち、言われた言葉、育った環境で少しずつできあがっていきます。

自分の中の先生はあなた次第でどんな先生にもなる

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人から厳しい言葉ばかりかけられたり、否定されたり、怒鳴られたりばかりしていると、自分に対して完璧を求めてきて、何かあればすぐに怒る、否定する、厳しいだけな自分の中の先生ができあがります。

何かあればすぐに「〜じゃなきゃだめだ!」って言ってくる完璧主義で減点法で厳しいだけのイケナイ先生がぼくのところにもいたんですよ。

なんでもかんでも「それはいけない、あれはいけない」「こうじゃなきゃいけない」って厳しいし、いちいち言葉が冷たい。
数々の言葉にいつも首を絞められていて、楽器を吹くことが苦しかったんです。
完全なパワハラ先生でした。

それに比べて新しく来てくれた近所のおっちゃんは一緒にいて楽しいです。
音ひとつ吹くだけでもにこにこして「いいね!その音!」って言ってくれます。

おっちゃんが家に来てから楽器を吹くのが楽になりました。

 

ただ、今でも隙あらば昔の先生が現れて完璧を求めてきます。
緊張したとき、あせったとき、ネガティブになったとき。

昔の先生は物陰から走ってきて近所のおっちゃんを突き飛ばし、自分のもといた席にさもずっといたかのように座ります。

そんなとき「どけ!こんにゃろ!」と思うと、エネルギーを大量に消費してしまいます。
なので、「また来たんですね、確かに先生の力が必要なときもありました。でも今は違うんです」と丁重にお断りしています。

怒っている人に怒り返しても疲れるだけなのと同じです。

そして近所のおっちゃんに席を譲ってもらいます。

 

どんな先生だったにせよ、自分の側にいてくれたことには違いないのです。
その先生を否定するということは、過去の自分も否定するということ。
過去があるから今の自分はいるんです。
イケナイ先生がいたから近所のおっちゃんが来てくれたんです。

環境次第ではありますが、どんな先生があなたの中にいるかで音楽との付き合い方が変わってきます。

自分を一番応援してくれる先生を自分の中に育てよう

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どんなやり方を選ぶか、どんな言葉を選ぶか、ひとつひとつの積み重ねで自分の中の先生が変わってきます。

いつもいろんな方法を提案してくれて、自分を励ましてくれる、そんな先生を育ててほしい。

うまくいったら「今の良かったね!」
うまくいかなくても「次はこう考えてトライしてみよう!」

悩んでいても苦しんでいても、自分の中の先生だけには側に居てほしい。

 

あなたのせいではないけれど、罵倒や否定をしてきたり、視野の狭い先生を育ててしまうと、自分がツラいのです。

「自分を否定し続けてそれをバネにしてがんばるんだ!」って人もいるかもしれません。

でもやり方はそれだけじゃない。
別の方法もあるんだって知ってほしい。

 

大切に自分の気持ちを育てて、怒ることなく、横に立って一緒に考えてくれる先生。

自分の中にそういう先生を育てたいし、ぼく自身もそういう先生になりたい。

 

「口で言うのは簡単。それができりゃあ苦労しねえよ!」ってあなた。

どうやったら自分の中の先生を育てていくか。それがレッスンです。

ぼくがあなたの先生だったら、どうやったら楽しく楽器が吹けるようになるか一緒に考えていきたいって思うよ。

おわりに

レッスンを受けるってステキな事です。
自分よりその道のはるか先を歩いている先生との時間はかけがえのない時間。

だからこそいい時間にしたいですよね。

やり方を学んで自分のものにしていく。
その時々でぴったりくるやり方。
自分が前向きになる声かけ。
考え方。

試行錯誤の連続です。
この行程が終わることはないけど、逆に言えばそれが楽しい。

レッスンを受けて自分の中の先生も育っていくと、楽器を吹くことが楽しくなります。

 

あなたの中に、いつも笑顔の素敵な先生がいてくれますように。

 

 

 

それではまた。

 

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12 件のコメント

  • とても感動しました!

    私はフルートを習っている専門生なのですがここ最近、尊敬しているトロンボーンの先生から《練習量がたりていない》と言われ、上手くなりたい・悔しいという気持ちから毎日の練習+練習量をかなり増やしてみましたが、やらなきゃ…という先入観と次のレッスンまでに先生をがっかりさせないようもっと上手くなっていなきゃ、、という気持ちでしたがこのブログを拝見させて頂いてとても心が軽くなったと言いますか…上手く表現できないですが…嬉しい気持ちです!

    ありがとうございます。

    • のあさん、ブログを読んでくれてありがとうございます!
      練習量を増やさなきゃ、とか先生に喜んでもらいたい気持ち、よくわかります。
      心が軽くなってよかったです。
      周りの言葉ってとても気になっちゃうけど、のあさんのペースで、自分の気持ちを大事にフルートを吹いてくれたらいいな、と思います。
      今日より明日はきっと素敵な音がでますよ^^

  • 私もホルン吹きです。レッスンを受ける事が最近は恐怖に変わってきています。基本集団なのですが時々個人の時もあります。集団だと周りの子は上手くて私ができなくて私のために時間を使ってしまったりするのですが、先生にも周りの子にも良くなった!それそれ!とか言われても自分で何を変えたら上手くいったのかパッとしない事が結構あるので、だから毎回レッスンでまたできなくて私が時間を使ってしまったりと悪循環が起きているんだなあと思いました。 これからしっかりなぜできたのかわかるようにしたいと思いました! 今親と相談中ですが権三さんのレッスン受けたいと思っています!その時は宜しくお願いします☺

    • コメントありがとうございます
      グループレッスンの大変さ、よくわかります。レッスンのお申し込み、お待ちしております٩( ‘ω’ )و
      ちなみに権三ではなく権左です笑

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    ABOUTこの記事をかいた人

    ごんざ ゆういち

    国立音楽大学卒業。ホルン奏者。管楽器コーチ。 自身が長い間、心身ともに不健康な状態で音楽と関わってきた経験から「健康的に音楽しよう」をコンセプトに多方面で活動中。