ラドヴァン・ヴラトコヴィチ氏のマスタークラスを聴講して


どうもごんざです。

平日の昼間から国立音楽大学にて、世界的ホルン奏者のラドヴァン・ヴラトコヴィチ氏の公開レッスン&ミニコンサートがあったので聴講してきました。

ラドヴァン・ヴラトコヴィチ(Radovan Vlatković, 1962年1月29日 ザグレブ – )
クロアチア出身のホルン奏者。 1983年にミュンヘン国際音楽コンクール優勝。 1982年から西ベルリンのベルリン放送交響楽団(のちのベルリン・ドイツ交響楽団)の首席ホルン奏者を務めたが、1990年にソリストとしての活動に専念するため退任し、ドイツ内外の主要なオーケストラに客演するとともに、ホルンのための主要な作品の数々を録音してきた。

レパートリーはバロック音楽から現代音楽までと幅広く、世界で最も異彩を放つ、経験豊富なホルン奏者の一人と看做されている。 1992年からシュトゥットガルト音楽演劇大学で、1998年よりザルツブルク・モーツァルテウム音楽大学で、2006年よりチューリヒ高等芸術学校にてホルン教授に就任している。また、マドリード・ソフィア王妃音楽学校のホルン教授も務めている。 出典:wikipedia 

ホルン奏者としては説明不要の素晴らしさですが、今回ぼくがもっとも感動したのは「教師としての姿」でした。

「Good‼︎」から始まるアドヴァイス

受講生が吹き終わるたび、必ず「Good!!」「Very Good!!」「Excellent!!」「Fantastic‼︎」と言って「ここが良かった」「こんなところが素晴らしかった」と必ずほめるところから毎回入っていたんです。

どんなときでもそう。もしうまくいかないときがあっても「いつものクセがついちゃっているから仕方ないね」とか「よし、もう一度やってみよう!」といつも前向きに受講生に声をかけている姿をみて(先生ってやっぱそうだよなあ)、とあたたかい気持ちになりながら聴講していました。

いつもユーモアを持って

「この曲はあるホルン吹きのために書かれたんだ。モーツァルトはそのホルン吹きを『バカみたいな雄牛』と言っていたそうだ」

「『今日は素敵な1日なりそうだなー』(大きな身振り手振りをくわえながら)と思ってモーツアルト吹いてみよう」

「ここはイタリア人みたいに優雅なお辞儀をするような感じで」

 

緊張している受講者を思ってか、常にユーモアあふれる声かけをしながらレッスンを進めていきます。だんだん受講者の緊張がほぐれていって演奏が変わり、それによって会場の空気も変わり、時にはクスクス笑い声が聞こえたり、ドット湧いたり、会場も一体になっていきました。

レッスン中は難しい顔をしたり、否定的な言葉かけをしたり、嫌な感じは一切しません。それはビジネスだからとかそういうことではなく、いつもそういうレッスンをなさっているであろうことが伝わってきました。

会場を包み込むようなあたたかさがその場にはありました。

曲の様式、時代背景、語ってくれて吹いてくれて

「モーツァルトの様式はレオポルトモーツァルトのヴァイオリン教則本を勉強するといいよ」

「ナチュラルホルンの時代の曲は、手でベルを塞いで倍音と倍音の間を繋いでいた。音色の変化も意識して作曲されたいたんだ。その音色の色をぼくらは忘れてしまっている」

「シューマンはこのあたりの歌曲も聴くと勉強になるよ」

「ホルンコンチェルトを吹く時はソロとオケの入れ替わりをわかりやすく聴かせるためにね・・」

 

様々なことを曲ごとにしっかりとわかりやすく、時代背景や曲の様式、その時代のホルンのことなどをユーモアを交えて語ってくれて、その後言ってることとやっていることが完全に一致している演奏を聴かせてくれて。

教師としてパーフェクトでした。

ラドヴァンヴラトコヴィチ氏の言葉の数々

チューバ奏者の木村圭太さんの通訳が素晴らしかったこともあり、ステキな言葉がレッスン中にたくさん聞けたので、ここで紹介します。

 

  • 何の音でもお客さまのために吹く音は価値がなきゃいけない
  • なぜだかわからないけれど、暗譜してお客さんのために演奏しよう、というとみんないい演奏になる

  • あなたの演奏を聴いてお客さんがニコニコ笑顔になるのがいい。できるだけお客さんのために演奏するように

  • 結論を吹く前に決めてから吹く。「絶対当ててやる」と決めるんだ。

  • ホルン奏者には勇敢さが必要。勇気、心の強さも鍛えて演奏する
  • 謙虚さは必要だが、自分がどれくらいのクオリティなのか自覚がないとだめだ

  • どんな吹き方でもいいが「自分でどんな吹き方をするか決める」ことが大切

  • 自分の体も楽器の一部何だよ。楽器と体を使って音を出すんだ。上手なプレーヤーほど楽器が体の一部になっている。

  • 楽器を自分に持ってくるようにして構える。ホルンに自分を合わせない。

  • (ラドヴァンが吹いた後うまく演奏できた受講生の演奏を聴いて)今のはあなたの頭の中でどういう音を出したいかができた。そしてそれを勇気を持ってチャレンジできた。

  • ブレスをとりすぎると演奏に支障が出ることもあるから気をつけて

  • 暗譜してお客さんを見ながら、友達を見ながらその人のために演奏してみよう。そうするとどんどん演奏がよくなっていくんだ。

 

おわりに

ラドヴァン・ヴラトコヴィチ氏のレッスンにより、受講生もぐんぐん変わっていってその様もとても感動。

彼の演奏も目の前で聴けて、鳥肌が立つほど素晴らしい演奏、音、音楽。こんな素晴らしい機会が無料なんて・・・。

氏の類い稀なる素晴らしい演奏と、ユーモアを交えながらも丁寧にアドヴァイスするレッスンは、会場も巻き込みとても幸せな時間でした。

 

「早く楽器吹きたい!」聴講後にすぐそう思うような時間を過ごしました。

行って良かった。
ぼくもがんばろう。

 

 

それではまた!

 

素晴らしい演奏をぜひ聴いてみてください。こちら、おすすめのCDです!






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2 件のコメント

  • ごんざさん、はじめまして
    いつもプログ拝見しています。
    ヴラトコヴィチさんの国立でのレッスン、私も聴講してました。
    以前からファンでしたが、コンサート(全然”ミニ”でなかった!)と暖かいレッスンを通して更に大ファンになりました。
    ごんざさんの今回の記事でまた振り返ることができました。ありがとうございます。

    • はじめまして!ブログお読みくださいましてありがとうございます。
      素晴らしい時間でしたよね。改めてぼくも好きになりました!!

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    ABOUTこの記事をかいた人

    ごんざ ゆういち

    国立音楽大学卒業。ホルン奏者。講師。 自身が長い間、心身ともに不健康な状態で音楽と関わってきた経験から「健康的に音楽と関わる」をコンセプトに多方面で活動中。 現在アレクサンダー・テクニーク勉強中。