中音域をいい音で吹くことが音域拡大のカギになる

どうもごんざです。
ホルンのチューニングB♭の音って、いろんなことを特に意識して作って吹かなくても音は出ますよね。

ただ、ホルンは音域にかかわらず、

「もっと太い音で吹いて」
「響きのある音で吹いて」

という指摘を受けることがとっても多いです。きっと経験のある人はいるはず。

ぼくは中高生の頃これらの指摘に加えて、「いつも卵が縦に入るくらい口の中を開けて吹いて」と言われていて、毎日疑うことなくそれを信じて楽器を吹いていました。

確かに口の中を縦長な感じで吹くと、響きのある太い音が実際出ます。

だけど耳元や近くで聴いて響きのある太い音色が、ホールで聞いているお客さんにもそのままの音色で届く、訳ではないんですよね。

お客さんの耳に聞こえている(録音、録画の演奏も含めて)太い音や響きのある音は、ホールの響きがあってのもの。

だからホールがやってくれることを自分でやってしまうと、遠くではかえってもこもこして聞こえてしまったり、遅く聞こえてしまうことになります。

ではどうやって吹けばいいのか?

ぜひ試してみてほしいやり方があります。

中音域を楽で自然に吹く

一人一人がどう経験を重ねてきていて、今どういった吹き方をしているかによって変わってきますがまず、

楽器を吹かずに、口で「ふー」と言いながら息を吐いてみてください。

その時の口の中の広さと、いつも中音域の吹いているときの口の中の広さを自分なりに比べてみてください。

見えない部分なので感じづらいですが比べてみてほしいのは、

・ほっぺたの裏側の部分が歯にどれくらいピッタリついているか
・歯と歯との隙間は狭くなっているか広くなっているか
・舌の位置は上がっているか下がっているか

などです。

いつも中音域を吹いているときの口の中の感じより、「ふー」の口の方がいろんな部分が狭く感じたとしたら、その「ふー」の感じで楽器を吹いてみましょう。

きっと違和感満載で、いつもより響きがなかったり、薄く感じたり、かたい音に聞こえるはずです。

でも耳に聞こえてくる音は実はそれくらいがちょうどいいんです。

濃い色の色水を真水にたらしたときの方が、薄い色の色水を真水たらしたときよりも、遠くまでにじんでいきますよね。ホールに響く音色もそのイメージです。

試しにその吹き方でいつもの練習に取り組んでみてください。息がいつもより長くもったり音の行き来が楽に感じるはずです。

おわりに

吹きやすい中音域で太い音を出すための吹き方をしてしまうと、低音域はもっと息の量が必要になりますし、高音域はピッチが低くなりやすくなります。

中音域はまずはあれこれせずに「ふー」の口で吹いてみてください。それでピッチが高すぎたり低すぎたりしたら、

・手でベルの出口をふさいでいないか
・管の抜き差しは適切か
・演奏している部屋が極端に暑かったり寒かったりしていないか

などを気にしてみてください。

響きや太い音はホールがなんとかしてくれます。
自分史上一番自然に中音域の音が出たら、それを上にも下にも一つずつ増やしていきます。

ここが本当のスタートなんだって、ぼくは最近ようやく気づきました。

ついつい(高音域が苦手)(低音域が鳴らない)と、できないところにばかり目がいってそこを潰しにいきがちなんだけども、なんてことのない音域をどれだけその人1番の音色で吹けるかが、その先全部の音に関係してくるんですよね。

そう考えるといろんなことがつながってきたのです。

続きの話をまた今度。