パート内で音色が合わないのは、音色の違いじゃなくて吹き方がバラバラなんじゃない?

Three-legged race

どうもごんざです。
あるとき中学校でのレッスンで中学2年生にこんな質問をされました。

「ホルンパートで同じフレーズを吹いていても『音色が合わない』って言われるんです。それは私の音色が汚いからですか?」

 

ぼくは「音色が汚い」って言葉自体そもそもよくないと思っているのですが、彼女は真剣に悩んでいました。合わないことを自分のせいだと思っているようです。

同じパート内で音が合わないのはキレイさや汚さという話ではなく、お互いの吹き方がそろっていないから合わないことがほとんどです。

パートで一緒に吹くフレーズはどんなフレーズ?

考えるのはまずここからです。

フレーズをどんな風に吹くかで吹き方は大体決まってきます。

はっきりと吹くところ?
大きい音で朗々と吹く場面?
静かな音で繊細に吹く場面?
レガートのフレーズ?
短い音で軽やかに吹く場面?

それぞれ状況に合った吹き方がありますよね。

今回の場合はゆったりとしたレガートなフレーズでした。

アタック

ホルンパートでゆったりとしたフレーズを吹いてもらうと、確かに音色が合っていないように聞こえます。

結果だけ聞けば「音色が合っていない」ですが、よく聴くといろんな面でみんなの吹き方がバラバラなようです。

 

ゆったりなフレーズなのに息の圧力を高めすぎて、キツいタンギングになっている人がいました。タンギングがキツイと息のスピードが速くなりやすく音もかたくなる傾向にあるので、ゆったりとしたフレーズには不向きです。

タンギングしないで試しに吹いてみたりと、試行錯誤を繰り返します。
フレーズに合ったタンギングを考えて吹いてみると、だいぶ音色がそろってきました。

それくらいフレーズに合ったタンギングは重要です。

音の長さ

ゆったりとした長いフレーズ。

何度か吹いてもらうと、音ひとつひとつでディミヌエンドしてしまっている子がいました。

長いフレーズですから、いつも次の音に向かっていく方向性を感じる演奏がいいですよね。音ひとつひとつで減衰するよりも、ひとつの流れとして吹くよう提案すると、だいぶ良くなりました。

吹くフレーズに合ったタンギングで、長いフレーズに合った音の方向性と音の長さ、それを気にすることで音色がそろってきています。

ホルンの右手

ホルン特有ですが、音色がそろわない原因のひとつに、「右手のカタチ」があります。

タンギング、音の長さ、フレージングはもちろん大切です。ですが、せっかくこれらを気にしても、少し右手がベルをふさいでしまっているだけで、驚くほど音色がこもったり、暗くなったりします。音程まで変わります。

しかも自分では気づきにくい、というやっかいな特性もあります。

 

どれくらいの手の感じがちょうどいい感じか、は人によりますのでこればっかりは聴いてみないとわかりませんが、今回は少しふさがりすぎている子がいました。

アタックやフレーズを考えて少し手を開けて。
そうしてホルンパートでゆったりとしたフレーズを吹いてもらうと、バッチリ音色がそろいました。

おわりに

アタックと音の長さ、フレージング、右手の開け具合、いろんなものを少しずつ変えることで、音色はぐっと近寄りました。

ここに「音色がきれいだから」とか「音色が汚いから」っていうのは関係ないんです。

吹き方がそろっていないから合わないんです。パート内で音色がそろわなかったときは、アタックの種類やフレージングについて話し合ってから吹くと、ほとんどの場合ばっちりそろいますよ。

ぜひ試してみください。

 

 

 

それではまた!

 

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