取り組む曲が大曲であったり、難しい局面が多かったり、パートの負担が大きいと、基本は1パート1人のところにアシスタントがつくことがあります。1stのアシスタントなら『1アシ』と呼んでいます。
編成によっては3アシだったり、2アシ、4アシがつくこともあります。全部のパートにアシスタントがつくことを「倍管」なんて呼ぶこともありますね。
中学高校の吹奏楽部でも、たまに各パートに2人いることってありますよね。でも音量を増やすためだけに全部2人で吹いていることが多いです。
アシの使い方ってそれだけじゃないよ。もっと楽できるのにもったいな!っていつも思います。
1アシで1st全部吹くってぶっちゃけアシスタントの無駄遣いです。音量目的で倍管にしているのであればそれでも仕方ありませんが、本来のアシスタントの仕事は、1アシであれば1stがいかに気持ちよく吹けるようサポートするか、これに尽きます。
目次
アシスタントの主なお仕事(1アシの場合)
アシは音量がほしいときに2人で吹く、という役割だけではありません。
1stが気持ち良く吹けるようアシストする役割です。マネージャーみたいなもの。基本的に吹くところは少ないです。
ではどんなところで吹くのか。
例えば、
- 曲中に1stパートに繊細なソロパートがある場合、その前後の部分はアシが吹いて1stがソロに集中出来る環境をつくる
- 全体のクオリティを考えたときにキツイところを代わりに吹く。
- 吹きたくないところを代わりに吹く。
- 長い伸ばしの音符を1stから途中で引き継ぐ
こんなケースが多いです。
音量を求められているところで2人吹くことももちろんあります。アシが入ってくれることによって1stは楽に吹けるからです。
どこを吹くことになるかは、その時々の1stの考え、コンディション、技量などにもよりますし、曲目、スケジュールにもよります。例えば1日だけの本番なら平気でも、それが何日も続いたり、ハードなスケジュールだったりすれば、アシスタントの吹く箇所は増えることになります。
どこを吹くのかをどう決めるか
人によってはどこを吹いてほしいか決めておいてくれる人もいます。このパターンだと、アシスタントの人の心理的負担はかなり減ります。
かと思えば「適当に入ってきて」って言う1stの人もいます。これが一番怖い。どこで入っていいか全くわからないからです。なので(自分が1stだったらここキツいだろうな)と想像する必要があります。
どこで求められても対応できるように「自分だったらここが苦しいな」とか「ここ吹いてもらったらうれしいな」とかそういうところもチェックしておくとなおいいですね。
リハーサル中に、「ここ吹いてもらえる?」と言われたり、アシスタントの人から「ここ吹きましょうか」など、コミュニケーションを取りながら演奏することもよくあります。
アシスタントに必要な考え
3つ紹介します。
思いやりの気持ちをもつこと
吹く場所がなくて油断していると、1stの人が休符を数えていなくて「今どこ?」と聞かれることもあります。
吹く予定がなかった場所を本番で突然、「次ここから吹けるかな」と言われることもあるかもしれません。というかぼくは経験しました。自分が休みの場所でも常に休符は数え、1stの様子を気にしておきましょう。
1stが長いのばしの音符を吹いていてその後をアシが引き継いで吹く、ということもあります。そのときには音程、音色、スピード感、テンション、それらを感じて吹くことが要求されます。アシが入って音色とか変わっちゃったら周りと合わないと台無しだからです。
吹いていない間も常にアンテナを張って演奏に参加しているので、精神的にも肉体的にも独特の疲れがあるのがアシスタントの特徴です。
万全のコンディションでいること
ずっと休んでいていきなりffで演奏に参加したり、長い音符を吹いたり。吹いていない時間が長い中で突然テンションMAXで吹いたりするのって結構体への負担が大きいんです。また、緊張感を持続させるのも難しい。
だから調子を崩しやすいのもアシの特徴です。吹くとこが少なければ少ないで、曲に入るのも結構大変なものです。
勇気を持つこと
何が起きても大丈夫なようにすぐに楽器を構えられるようにしておく。例えば1小節後、明らかに1stの楽譜には音があるのに本来吹く予定の人が楽器を構えていなかったら、楽譜を見失っているのかもしれません。そんなときは打ち合わせしていなくても入る勇気が必要なことも。
ある意味、そこに音がないほうが問題です。
勇気大事。
おわりに
アシスタントの役割、伝わりましたか?
すべては素敵な演奏をするためにどう立ち回ればいいか、です。
アシスタントがいると1stは安心して演奏できるので、かなり重要なポジションです。
マネージャーをイメージするとわかりやすいです。頼もしいアシスタントになって1stの心の支えになれるよう、前もって打ち合わせをしっかりし、演奏中も気を張って演奏に参加しましょう。
それではまた!
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