ホルンのテクニックのひとつに「リップトリル」というものがあります。隣合った倍音の音をスラーで高速で行き来するものです。
楽譜だとこう書いてあります。
ホルンのリップトリルは基本的に息のスピードで音を変えます。なぜ「基本的に」なのかは後で説明するとして。
リップトリルの練習、あなたはどうやっていますか?リップトリルには様々な効果が見込めるので練習に取り入れることをオススメします。
ざっと思いつくだけでも、
- 高音がだしやすくなる。
- 口の周りの筋肉が鍛えられる。
- スタミナが付く。
- リップスラースムーズになる。
いいことだらけですね。
今日はおすすめの練習方法を紹介します。
ゆっくりから段々早く、はコスパが悪い
リップトリルの練習というと、こんな練習をよく見かけるんじゃないでしょうか。指使いはF管の開放の「0」でやります。もしB♭シングル管でこの音でリップトリルの練習をするときは「1、3」でやってみてね。
ぼくも中学校の頃にこの練習法を教わり、テンポ60でゆっくりからやってました。。そりゃあもう延々とね。
でも正直さっぱりできるようになりませんでした。(しかもきついし長い)
音を変えるコツはアパチュア(唇の息の出るとこ)の大きさを変えることと舌の位置を変えることです。そうすると息のスピードが変わって音が変わります。
リップトリルを習得するには長くてつまらない忍耐強く練習しなくちゃいけないのかと思うと正直うんざりしていました。
でももっと短くて楽しい!疲れない練習法があったんです!
最初から最速でやる
この練習法はあるとき公開レッスンで、世界的ホルニストのブルーノ・シュナイダーが紹介していたものです。
公開レッスンでは受講生がモーツァルトのホルン協奏曲のトリルの部分をやっていて、そこで学生にこんなを提案していたんです。
「一般的にリップトリルはゆっくりからはやくする練習をするものだけど、それだと疲れるし効率が悪い。最初から最速でまずは3つの塊でやってみよう」
そこで提案していた練習法はこんな感じでした。
なんという!快適さ!スマートさ!
「こんな感じで1拍ずつ練習してみるといいよ、最初から最速で。できるだけ速く」
「慣れきたら少しずつ数を増やしていってみよう」
これでストレスなく!
楽しく!
バテずに!
リップトリルの練習ができます!できるようになったらもっと数増やしていってね。
コツは初速です。
強めのタンギングで挑戦してみましょう。
実際ぼくはこの練習法を知ってからリップトリルの練習が楽しくなりました。それに一回一回完結するから「よし次!」と意欲も続きます。
この練習はゆっくりからやるよりもずっと実践的で効率の良い練習だと思います。
おわりに
ゆっくりから段々はやくする練習ももちろんいいんですが、この練習もおすすめです。
基本的には息のスピードの変化でリップトリルはやりますが、実際に曲中でうまくリップトリルができないときには、口と舌で音を変えつつ、指も使うとスムーズにできることがあるよ。
ぜひ試してみてください!
おまけ
リップトリルの練習法とちょっとした注意点が載っているPDFを作りました。普段の練習に役立ててみてください。
他の音域のリップトリルの指使いも載せておきます。慣れてきたらいろんな音域でやってみよう。それぞれの音域の難しさがありますよ。
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