コンサート会場に生息するブラボーおじさんに告ぐ。そのブラボー、もう髪の毛一本分待って!

どうも、ごんざです。
コンサートホールに足を運んだことがある方であれば、遭遇したことがあるかもしれません。曲の終わりとともに「ブラボーーー!」と叫ぶ、通称「ブラボーおじさん」に。

ブラボーおじさん。あなたの興奮はわかったから、1番にブラボー言いたいのはわかったから、ほんとに後少しだけ待ってほしい。

特に静かな曲で、演奏が終わった瞬間に拍手し始めたり「ブラボー」言っちゃうのははやいんです。全部台無しになりかねません。

ブラボーおじさんのプロフィール

ブラボー

生息地:吹奏楽やオーケストラの編成の大きな演奏会に主に生息。

レア度:☆☆(割と見かける)

所属:出演者の知り合い、またはファンと思われる。

特徴:演奏が終わると1番最初に「ブラボー!」と叫ぶことに命を賭ける。

 

これがブラボーおじさんの特徴です。
大体お分かりいただけましたでしょうか。

ブラボーおじさんは、時に演奏会を盛り上げてくれることも多分あるので悪い存在ではありません。

 

でも。もう少しだけ、特に静かな終わり方をする曲のあとの「ブラボー!」については考えてほしいのです。

音が消えたら演奏が終わり、ではない

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曲の最後の音が終わり、余韻が消える。

長い旅を終えた安堵、充足感、満足感、会場の一体感。

陽が落ちて静かに夜を迎えるように静けさがホールを包み込む。

 

演奏者や指揮者は、客席には届かない最後の余韻まで感じているのです。ひょっとしたらもう音は消えているかもしれない。それでも聴いています。浸っています。

演奏が終わって拍手が鳴るまでのほんの髪の毛一本分。

 

至福の瞬間。

 

 

そこに「ブラボー!」が我先にと飛び込んできたら?

 

気持ちのいい夢を見ていたときに無理やり起こされるあの感じですよ。

最後に食べようと残しておいたうずらの卵をひょいと他人に食べられるあの感じ。

演奏者は楽器を吹いているときも吹いていないときも曲を感じています。

そこを後ろから「ワッ!」と驚かされたら?

 

指揮者がタクトをおろし、演奏者の顔を見回します。声に出さなくても「素晴らしい演奏だった」とお互いを讃えあっている瞬間です。

そこから静かに、控えめに、そっと拍手しはじめてほしいのです。だんだんと演奏者たちも現実世界に帰ってこれるように。

その先のブラボーは大歓迎です!客席で演奏を聴いてみるとわかりますが、ブラボーって言うの勇気いりますからね。それを越えて言ってくださるのは本当にありがたい。

お客さんも含めてひとつの音楽

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静かなときにアメ食べたくなっちゃってガサゴソやっていたり、プログラムをめくる音だったり、携帯が鳴る音、ずっと咳をしてる人。

実はみんな演奏に参加しているんです。

全員で会場の雰囲気をつくり、演奏者の出す音が身体に共鳴し、ホールに響き、演奏者もお客さんもホールも全部含めてひとつの音楽なんです。拍手もそう。ブラボーもそう。

 

そこをどうか少しだけ、考えてみてください。

みんなで素晴らしい時間を過ごしましょうよ。

 

 

それでは、また。