5月25日(土)26日(日)盛岡出張レッスンのお知らせ

生徒の成長に必要なことは「自分にもできる」の積み重ねと、音楽の楽しさを知ること

どうもごんざです。
今まで10年以上にわたりたくさんの学校のレッスンをしてきましたが、今年はこれまでで一番深く関わった学校がありました。

今日はその学校の話。

全面的に任せてもらえたので、今までやりたかったことにたくさんチャレンジさせてもらいました。

レッスンに行き始めた頃はいきなり合奏を見ることはせず、まずは一人一人個人レッスンをし、生徒との信頼関係の構築からはじめました。また、身体の使い方や呼吸について誤解だらけだったので、1から説明することもしばしば。

信じること

まず、なにがあっても可能性に満ち溢れた相手を信じることに決めました。何かうまくいかないことがあったとしても、先に進む方法はいくらでもあるんだから最初からあきらめるなんてナンセンス。

思うだけでなく言葉にし続けていくことで、先生の反応も変わっていったのが印象的でした。

自分がされて嫌だったことはしない

中高時代、部活で先生に言われて嫌だったことや、思い返しても(意味ないだろうな)ってことは極力避けよう、と心に決めて生徒たちと関わりました。

あとは先生側が先に投げ出したり、あきらめたりしないこと。

「そこ、やっといてね」って投げっぱなしにはしない。何か提案したらその後どうだったかも伝える。

音程に関してもこだわりました。

「高い」
「低い」
「もっと合わせて」

そんなことを言うことに意味を感じませんでしたので、ほぼ言いませんでした。

マイナス感情を持ち込まない

プライベートでうまくいかないことがあったとき。レッスンがうまくいかないとき。

不機嫌になってしまいがちだけど、極力それを避けました。だってレッスンにいい影響ないから。

自分たちで考えるようになるには

「どうすれば自発性が生まれるか」とよく考えました。「自分の頭で考えろ」だけじゃ無理なことは経験上わかっていました。

合宿にも全行程参加し、空調に課金しながらなんとかやり抜きました。

たくさんの思いのなか、こんな想いが込み上げてきました。

無駄なことなんてひとつもないんだなあ、と。これはレッスンだけしかしていなかったら見えなかったことで、みんなで過ごす中で思ったことでした。

圧迫しなくても方法はある

中高時代、ぼくは一人で吹かされるの本当に嫌でした。

誰かの陰に隠れないため、とか責任持って吹くため、とか聞こえはいいけどただのさらしものだった。

「はい、もう一回」
「なにそれ、やる気ある?」
「音間違えるなよ」
「そこ、吹かなくていいよ」
「もっと吹いて」
「聞こえません」

教える側に回ってすぐの時、ぼくも生徒にこう言ってしまっていた。でも、今となってはこんなこと口にしたくない。それだけは心に決めていた。

だからひとりひとり吹いてもらうときにも、極力ノンストレスな環境作りを心がけました。

楽しさを知ればやりたくなるんじゃないか

「音楽って楽しいものなんだよ」それをまずは伝えたかった。それを知ればどんどん自分たちでやるんじゃないか、と思ったから。

ぼく自身全体を指導するって経験がほとんどなかったので、毎回手探りしながらのレッスン。

そんな中でも生徒の可能性にはこちらが驚かされるばかり。

やらせるのではなく、提案をする

「こうやって吹いて」
「ここはこんな感じで」

そう言って生徒にやってもらうのは簡単。だけど教える側の音楽押し付けたって意味がない。だから、いつも「こうしてみたらどう?」と提案し続けた。

教わる側からしたらもどかしかったかもしれない。答えを言ってほしかったのかもしれない。でも、それじゃ君らが音楽する意味がない。それを知ってもらうために、白玉の音符一個にも意味があることも知ってもらった。

どうにか音楽を「やらせる」ことだけは避けたかった。

それじゃなんの意味もない。

 

好きで部活に入って、好きで楽器吹いてるのになんで先生にやらされなきゃいけないの?

がんじがらめで枠にはめられてやらされてる演奏をたくさん耳にしてきた。自分も経験してきた。いくつかの学校にはさせてしまった。

そんな想いがあるからこそ、最終的にはこうなってほしいな、とずっと願っていました。

たくさんの先生方の指導のもと、ある程度目標は達成できたんじゃないかと思う。

少なくとも本番前の会場の静けさをぼくは忘れない。

ガチガチに演奏を作り込んだ学校ばかりが「いい演奏」とコンクールでは評価されるとばかり思っていましたが、そうではないことがわかったことはぼくにとっても本当に大きな収穫でした。

自分自身との約束も実はしていて、ちゃんと守りきった。

おわりに

顧問の先生が4月からずーっと「今年は金賞取りたいんです」って言ってて。「大丈夫です」と言ってたんだけど結果的に本当にいただけて良かった。

なにより生徒たちが本当にがんばった。だらけることなくいつも熱心に練習していて、レッスンに行くたびに前回よりうまくなってた。

それって本当にすごいこと。当たり前じゃないんだ。ぼくに何ができたかは分からないけど、少なくともみんなはいつものびのびやってた。

本番当日もガチガチにならず、笑顔が絶えなかった。

その場にいれてぼくは幸せだった。

 

賞をいただいた以上にたくさんのことをぼく自身が学ばせてもらった夏でした。生徒たちに何度も感動をもらいました。顧問の先生にもたくさん任せてもらってそれも本当にありがたかった。

 

生徒を信じること。信じきること。
「自分にもできる」を伝えることで自信をつけてもらうこと。
過度の圧迫や音楽の押し付けは必要ないこと。

 

これらが中高生がいい音楽するのに何より必要だって思っていたものが確信に変わった経験でした。

それから。Facebookでサックスの雲井先生が投稿してらっしゃるコメントが話題ですが、その雲井先生が当日審査員として聴いていてくださってて、講評で演奏に対して高評価をいただいたことも、うれしかった。

 

本当におめでとう。そしてありがとう。

 

これからも素敵な音楽していこうね。

 

 

 

それではまた!