ステージ上で感じる恐怖と異変の正体と緊張との関係

どうもごんざです。
唐突の告白になりますが、ぼくはホルンを持っての本番で(楽しみだな、ワクワク!)と思って迎えられたことはあまりありません。

ぼくの中での本番といえば、

・普段はできているのにステージに上がると途端にできなくなる。

この経験が本当に多くて…。
緊張に弱いのかな、とか、あがり症なのかと散々悩んできました。

今もすべて解決したわけではないです。

でもある本番で、ステージ上ではこれまでできていたことがなぜ途端にできなくなっていたか、今後ステージ上でも力を発揮するためには何が必要なのか、がかなり鮮明に見えたんです。

ぼくが本番で緊張していても自分の力を発揮するために必要だったことは、緊張を味方にしたり乗り越えたり打ち勝ったりと、緊張に対してどうこうすることではありませんでした。

必要だったのは、
ステージ上にはこれまでの経験を持った今までの自分が居る、と知ること。知った上で今の自分で演奏すること、でした。

そのために足りなかったことは自信

自信と言っても、
「なんでもできる!」
「向かう所敵なし!」
「私は誰にも負けない!」
「誰よりも練習した!」といった類の自信ではなくて、

もっと小さな、でも事実な少しずつの『自信のカケラ』を集めることが大切だったんです。

ステージ上でのこれまで

楽器をはじめてからこれまで、たくさんの本番を経験してきました。RPGなら経験を積むごとに強くなっていくはずですが、ぼくは本番での経験が増えるにつれていつの頃からか、

  • 普段はできているのにステージに上がると途端にできなくなる。
  • ステージでは散々だったのに、ステージから帰ってきたら問題なく演奏できる。
  • 本番やリハーサルで音を出すのが怖くなる。
  • 本番では普段の練習と全然違う吹き方になってしまう。

こんなことが増えてきました。
こうなってくると本番は、音楽ではなく音が苦、こわいものになっていきます。

音が苦になると

とにかく本番が怖い
音を出すことが不安で仕方がない
はやく本番が終わってほしい

頭に浮かぶのはこんなことばかり。

なぜか本番は普段とはまったく違ってしまう。終わった後も後悔の方が多い。そんな自分にがっかりする。

もう演奏はやめた方がいいんじゃないか。

向いていないんじゃないか。

何度こう思ったことか。

そしてそのうち、

心の中ごんざ
(本番では緊張するからいつも通り吹けないのではないか)
と思うようになりました。

本番は緊張するから実力が発揮できない、の迷路

心の中ごんざ
本番はいつもよりもできない、なんでだろう、そうだきっと、

→本番は緊張する

→緊張するといつも通り吹けない

→だから本番では実力を発揮できない

→緊張が原因なんだ!

こう考えるようになりました。

そうして次には、

  • 緊張が原因
  • 緊張を乗り越えるには?
  • 緊張を味方にするには?
  • 緊張に負けないようにするには?

こう考えはじめました。

緊張に関してはたくさんの分野で様々な人が語っています。いろんな人の書いた本を読み、実際に話を聞き、レッスンを受け、よいと思ったものは都度試してきました。

でも、「これだ!」と思えるものには出会えていませんでした。

いつもの [ 音が苦 ] にはまっていたとき

ある本番でも「音が苦」に感じる状況にいました。

自分の中では

  • 曲は練習できている。
  • 演奏面において大きな不安はない。
  • 前日しっかり睡眠をとる。
  • リハ2時間目には現場に着いた。
  • 忘れ物はない。(正確には靴下を忘れて途中で買った)
  • 音出しは十分できた、調子がいい。
  • 演奏以外に抱えているストレスもほぼない。


など、できる限りのことをして当日に臨んでいたのですがこれでもやはり、

  • リハでステージ上に出た途端、なんだか調子が悪くなる。
  • 音を出すのが怖くなる。
  • 視野が狭くなる。
  • 異常にバテる。

こんな状態に陥りました。


心の中ごんざ

でたよでたでた、

あーもーまたこのパターン。

なぜこうなるんだ。
何が足りないんだ。

何が悪いんだ。

演奏向いてないのか。

思考も完全にネガティブに支配されていました。

こうなるといつもは(自分はダメな人間だ)と烙印を押し諦めていたのですが、なぜかこの時はいつもよりあきらめが悪く、考え続けたんです。

最後に自分に必要だったのは『自信』

音が苦の迷路にはまりながらも考え続けていると、リハではなぜか普段と違う吹き方をしている自分に気づきました。

その吹き方は、高音を出すために必要なメカニズムを知らず、無理やり高音を絞り出していた頃の自分の吹き方でした。

心の中ごんざ
なんだこれは、普段はこんな吹き方じゃないぞ

そう思いなおし、吹いてみると今の自分の吹き方で吹くことができました。

心の中ごんざ
(なるほど、無意識に昔の吹き方になっていたから普段より音が出しにくくて、しかもバテやすかったのか!じゃあ今度からは吹く前に今の吹き方を具体的に意識して吹いてみよう)

ひとつ、ヒントが増えました。
でもまだまだ不安。

考え続けました。

そのうちふわっと

ごんざ
(ステージ上だと今の自分ではなくて、無意識に昔の自分に戻っていたのか。では今の自分だったら、といろんなことを置き換えて考えてみたらどうだろう。

今の自分だったら問題なく吹けるであろうところで不調を感じるということは、過去の積み重ねに負けて、今の自分を信じられていないんじゃないか。言葉にするとしたら、自分には自信が足りないんじゃないか)

と浮かんだんです。
そこからバンっといろんなことが繋がりました。

2種類の自信

ぼくの中で自信には2種類あると、そのとき思いました。

普段の練習での自信

長い間いろんな要因で思うようにホルンが吹けずにいました。

でもある時から、それらを一つずつ、なぜできないか、どうしたらできるようになるのか、どういう練習をしていけば身につくようになるのか、を積み上げていき、自分自身で納得した上で上達できるようになりました。

普段の練習でも道筋を考えることができるようになりましたし、その上長年悩まされてきた唇の腫れは金属アレルギーであったことも近年わかり、ホルン吹きとしての自信も少しずつついてきました。

ステージ上での自信

もう大丈夫だろう。
自分はホルン吹きとしても問題ない。

そう思っていましたが、ステージ上ではそううまいこといきませんでした。練習で取り戻した自信だけでは足りなかったんです。

ステージ上での自信についても考える必要がありました。

一人で練習しているのと、ステージで演奏するのとではわけが違います。

ステージに上がった途端、自分では気付かないうちに考え方も演奏も昔のままの自分になっていたんです。

湧き上がる(あの時のように)

無意識ごんざ

(あの時のように)うまく吹けなかったらどうしよう

(あの時のように)空気が凍るような失敗をしたらどうしよう

(あの時のように)出るべきタイミングで出れなかったらどうしよう


思考からはじまり、そのうち吹き方までもが(あの時のように)なっていたんです。

積み上げてきた(あの時のように)が成功体験ばかりだったら、それはきっと思い返すたびに力が湧いて、自分にとって大きな支えになってくれたと思います。

でもぼくはそうではなかった。

失敗ばかりで思うように吹けず、ネガティブな思考の自分。

これまではネガティブな(あの時のように)の積み重ねによってうまくいかなくなっている自分に気づけず、なぜかうまくいかないとばかり思っていて、それを緊張のせいにしていました。

音楽音が苦音楽

ごんざ
(そうか。ステージ上での自分の自信には手付かずだったんだ。まだ昔の自分がここにいたんだ。)

そう思えたとき、どうすればいいかが見えました。

ステージ上で現れる昔の自分に、今の自分を教えてあげよう

これがぼくにとって、ステージ上で自分の力を発揮するために必要なことでした。

そのためにやったこと。

これが「自信のカケラを集める」でした。それをやった結果(自信てこういうことなのかもしれない…)と思えたんです。

自信のカケラの集め方

自信のカケラの集め方、それはこれまでの小さな事実を思い出すこと。

ぼくがここで見つけた自信のカケラは、

  • 楽譜に書いてあるこの音は今の自分にとって難しい音か
  • 昔の吹き方と今の自分の吹き方はなにが違うのか
  • この曲目は今の自分にとってどう感じるものか
  • 練習の時点で今の自分ではどのくらいの出来だったか

一つ一つ、思い出しました。
誇張や過小評価をせず、自分の心に嘘をつかず丁寧に。

そうすると少しずつ、気持ちが落ち着いてきたんです。不安も減っていきました。

そしてその気持ちのまま本番を迎えることができました。

自信を感じたら起きたこと

不思議な気持ちでした。
本番のステージが怖くなくなったんです。

だからと言ってもちろん、なんでも吹けるスペシャルな奏者になれたわけではありません。

だけど、大学に入って初めてのオケの本番で見た、神聖な空気のステージと客席の雰囲気と、それを感じてワクワクした昔の自分の気持ちを思い出せました。

それにこれまでは、ほんのわずかな、人には気付かれない程度のミスでも自分の中で引っかかってその後に影響を及ぼしていたのが、なにかミスがあってもそこに気持ちを持っていかれなくなりました。ほとんどの本番で感じていた、終わった後の人生の終わりのようなへこみ方もなくなりました。

ステージ上で感じていたものの正体

この体験を通じて、ステージ上で感じていた恐怖と、自信というものの正体が少し見えた気がしました。

ぼくに必要だったことはポジティブなことを思い込んだり、聞こえのいい勇気の出るような言葉で無理に自分を鼓舞したり、無理やり言いくるめたりするではなく。

これまでのできたこと、積み重ねた事実、自信のカケラを思い出すこと。そこで湧いてくる自信を感じること。

これが一番大切で、しかも効果のあるものでした。

おわりに

ぼくにとって本番で力を発揮するために必要だったことは、何かがうまくいかない場合はこれまでの自分がそこにいるかもしれない、と状況把握すること。その上で今の自分であり続けること、でした。そして、今の自分であり続けるために必要なことが自信のカケラを集めること。

緊張や不安に支配されてなにも考えられなければ、長く採用されてきたこれまでの習慣にはまり、これまでのやり方で演奏することになる。

だけどそこでこれまでのやり方を採用していることによって不具合が起きていることに気づき、今この瞬間に使えるもので、なおかつ事実であることを考えれば思考は今にピントが合い、結果今の自分でいられる。これを体感できました。

これからはネガティブな(あの時のように)ではなく、今回の(あの時のように)を思い出せそうです。


ぼくにとっての本番のステージ上での過ごし方には「自信」が大きく深く、関わっていました。

そして今思うのは、自分の自信のなさからステージ上で起こる数々の出来事を緊張のせいにしていましたが、緊張のせいではないのではないか、ということ。

緊張、という普段と違うものでいろんな出来事をまとめてしまいがちですが、それはなんらかのスイッチであって、ステージ上で感じるネガティブなものの正体はきっと人それぞれあるんだと思います。




それでは、また。

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