どうもごんざです。
ある先輩に、自分では今まで思ったこともなかったことを指摘されて、衝撃を受けました。
そしてこの指摘こそ、ぼくだけでなく多くの人を苦しめる、「経験を積むほどにいろいろ考えすぎてしまって吹けなくなってくる現象」についてだったのです。
この現象は知識として知っていて「やればやるほどなんでもない音ひとつ出すのが怖くなってくるんだよね」なんて以前から言っていました。
自分では無意識に「曲に対して身構えてる状態」があって、それを見つけてもらったのでした。オケの曲吹くときに、いろいろと制約つけてくる「自分の中にいる、やたらと厳しい先生」がまだいたんです。
自分の中の先生、についてはこちらの記事を見ていただくとイメージがつかめます。
→レッスンを受ける、ということ
普段は全然軽く吹けるのに「オケの曲を吹く」ってなった瞬間、体固まって音もおかしくなって、普段通りじゃない自分を見つけてもらった。やべえこのラスボス感。自分の中にまだいた厳しい自分。見つけてくださったことに感謝。誰かと一緒に練習するってすごく大切。
— ごんざ ゆういち (@Gonja_19) 2017年3月1日
偉大なる作曲家の曲であればあるほど、自分に厳しい「自分の中の先生」が幅を利かせていた
ホルニストの先輩とモーツァルトのオケスタを練習していてこんなことを言われました。
その後も引き続きオケスタを吹いていたんですが、やっぱりなんだかうまくいきません。やればやるほど音程は合わないし、怖くなってくるし、合わせにいっちゃうし。
そんなぼくの演奏を聴いていた先輩がこう提案してくれました。
あっけないほど簡単に吹けたんです。
そこで大変なことに気づきました。
曲を吹くってなったときに以前追い出したと思っていた「自分の中の厳しい先生」がまだいたんです。
こんな感じの先生でした。
大前提として、自分の中の先生が言っていることはどれも大切なことだし、当たり前のことです。必要なことです。
でも。
やらなきゃいけないことばかりが優先してくると、少しずつ身構えて守りに入ってきて、音も変になります。自分でも気づかないうちに「オケの曲をやる」ってだけで、こんなに否定的でネガティブな「〜するべき」「〜しなきゃいけない」な言葉たちに襲われてたんですから。
そりゃカラダも固くなるし、意識も演奏すること以外にいきやすくなります。その結果息も吸いにくくなって唇も固くなっていつも通りに吹けなくなっちゃいます。
でここからが不思議なんですけど、一回自分の中の先生がいることに気づくと、それ以降はその先生が現れたらわかるようになったんです。
こう思えるようになりました。
そしてまたまた不思議なことに、ホルンにとって特に神経を使う偉大な作曲家であればあるほど、自分の中の先生が現れることがわかったんです。
制約が多いと思っている作曲家ほど、自分に厳しい自分の出現率は高いようなんです。
オーケストラスタディの略。オーケストラの有名なフレーズが集められた冊子のことを指す。楽器ごとに冊子があり、オーケストラの入団オーディションに備えてみんなが必死にさらう本のこと。
音楽家はみんな「自分の中の自分」と向き合っている
一緒に練習していた先輩はこうも話してくれました。
先輩いいこと言う。
本来できる力があるのに、自分で制限を作ってわざわざうまくいかないような状況を作っている、と言っているようにも思えたから不思議。
みんなこの「自分の中の自分」に年中向き合って音楽してるんですね。時には自分の中の先生が厳しすぎてめげてしまったり、楽器を辞めてしまう人もいるのもわかる気がする。
年々自分が経験を積むほど自分の中の先生はレベルアップして強くなっていきますしね。
おわりに
楽器を吹くことに関しては、「自分で自分の首を絞めている」経験がぼくにもいっぱいあったし、着目していたんですが、「曲を吹く」ってなったときにも自分で自分の首を絞めていたことに今回初めて気づいて超衝撃的でした。
しかもこの経験をしてから、レッスン中に生徒が苦手な部分を吹こうとしているとき、自分の中の先生に襲われている様子が見えるようになったんです。ぶわっとなんか雰囲気が変わるんですよね。
「私、見えるんです」
なんかこんな気持ちになりました(どんな)
尊敬できる人と一緒に楽器を吹くってとんでもなく大切だなあと改めて感じ、大切にしていきたいな、と思いました。
それではまた。
Facebookで非常にたくさんの方の元へ届いたようでうれしいです。ありがとうございます。