「口を開けて」のアドバイスによって会場で起きること

どうもごんざです。
演奏中に指揮者や顧問の先生からのよくあるアドバイスに「もっと口の中を(広く)開けて」というものがあります。

こう言われるとなんとなく吹いている最中に口の中を広げようとするものです。

実際そうすることで近くで聞く分には確かに音が太くなるし、響きも増えます。でもこのアドバイスって実は誤解が多くて、たくさんの人を苦しめているって知っていましたか。

 

音が太く響きのある音になるなら「口を開けて」は効果的なアドバイスでは、って?そう思う気持ちもわかります。でもここだけははっきりとお伝えしたいのですが、会場で聴こえてくるであろう音色を、近くで聞こえるように目指してはダメなんです。

割と近くにいて聴こえてくる音が演奏会や音源で聴いたような音色に近い場合、遠くに届く頃には音の出だしははっきり聞こえないし、音色はぼやけてしまうんですよね。

ホールに行ってから「もっとはっきり吹いて」と言われて、口の中を無理に広げたままはっきり吹こうとしてうまくいかず悪循環。バテやすくもなりますし、これは実際によくあることです。

なので普段の合奏の場所やあまり響かない場所での練習の時に、その場で聞こえる音色で判断しないほうがいいんです。

響かない場所や狭い部屋での練習のときは(音源で聴いて)頭の中で鳴っているその楽器の音色よりも、少しかたい音色だったりアタックが荒っぽかったり、響きの少ないパリッとした音色であったとしても、全然心配することないんです。むしろそれでいいんです。

 

多くの人とレッスンしていく中で、このアドバイスによって奏者に悪影響を与えるケースも数多く見てきました。リップスラーが苦手であったり、ハイトーンに苦労を感じていたり、音の出だしのタンギングに不安を感じている人はこのアドバイスに心当たりはありませんか?ぼく自身「もっと口を開けて」という言葉に実に10年以上とらわれてきました。

それに気づき、解放されたときの吹きやすさと言ったら!

この話はまた別に機会に話しますね。

 

 

 

今日はこのあたりで。
それではまた。