ホルンの移調読み替えのコツ

ホルンは移調楽器です。

吹奏楽の曲を演奏する分には読み替えはないので、そのまま楽譜に書いてある音を吹けばいいのですが、オーケストラの曲になるとそうもいきません。

オーケストラの曲を演奏するとき、多くの人は移調読みに大苦戦します。

楽譜にはinFで譜面が書いてあることが多いですが、曲によってはinEs、inE、inC、inDと書いてある、あれです。

ブログにも「移調読みのコツを教えてください」とコメントをいただいたいのでぼくなりの克服の仕方を2つ紹介します。

  • 慣れるまでは書いてしまえ
  • 自然倍音ばかりだから安心しろ

身もフタもない話ではありますが「移調楽器ってなに?」なところから詳しく説明します。

移調楽器とは

昔(古典派以前)、管楽器では演奏上の都合で調性に応じて、ハ調ならハ調、ト調ならト調、というようにその調専用の楽器が作られていました。

その時代のホルンは「ナチュラルホルン」と名前がついていて、バルブもなくシンプルな作りでした。

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ナチュラルホルンでは曲の調性によって、実際の曲の調に合った長さの管を差し替えることで演奏していました。

ナチュラルホルン古典派シンフォニー百花繚乱より

短い管から長い管までを足元なり手元にずらっと用意して、曲の調整に合わせて管をその都度差し替えて演奏していたんです。

どうして移調しなきゃ吹けない楽譜だらけなのか

移調は昔の名残です。

現在は楽器の仕組みも進歩して移調することなく全部の調を吹くことができます。

でもナチュラルホルンの時代の作曲家の曲を演奏するから、その時のまま楽譜には移調するよう書かれているんです。

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現在のホルンは基本F管の楽器なので「ド」の音を吹くと「F」の音が鳴ります。

それがinDと書いてあれば「ド」の音を「D(ラ)」で読む必要があります。

inEsなら「ド」の音は「Es(シ♭)」、inCなら「ド」の音は「C(ソ)」の音を吹く必要があります。

 

これが曲中でも変わるのです。移調に慣れていないと頭こんがらがります。

オケの曲を演奏するとき、ホルンの人はみんな頭の中で楽譜を読み替えて吹いているんです。

さて、どうしたらスムーズに読めるようになるのでしょうか。

慣れるまでは書いてOK

身もフタもないんですけど、慣れです。慣れるまでは楽譜に書いちゃいましょう。

プロでも苦手な調整が出てきたら普通に楽譜に書いてます。

楽譜は自分しか見ないものですから、何を書いたっていいんです。団で保有している楽譜で書き込みができないなら、楽譜を借りてコピーして自分用の楽譜を用意。そこに思う存分書き込みましょう。

ポイントは覚えてきたら楽譜の書き込みをどんどん消していくことです。いつまでも書いておくと頼ってしまいます。

自然倍音が多いから覚えやすい

ホルンの読み替えの特徴です。もともとナチュラルホルンはドミソくらいしかオープンでは音が出なくて、あとは右手の開き具合で調節していたので、比較的自然倍音が出てくることが多いです。

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これはベートヴェンの交響曲第3番の「英雄」に出てくる有名なフレーズですが、ファ、シ、レしかでてきていないですよね。

臨時記号はほとんどない

inDだったらDdurかDmollと思えばシャープやフラットの数も想像しやすいですよね。調が指定されている楽譜では比較的臨時記号は少ないので、慣れれば間違えることはないです。

全部inFならいいのにね

現代のホルンであればinFで全部で吹けるんだからinFでいいじゃん。そう思うでしょう。実際に現在はinFの譜面も手に入る時代になっています。

ただ、なんかしっくりこないんですよね。でも読み替えしたことない人がもともとinFの譜面で吹く分には違和感ないのかな。どうなんだろう。

おわりに

読み替えは「慣れ」です。コツでも何でもなくて申し訳ないんですが、やってくうちにできるようになります。

わからなかったらどんどん楽譜書き込んじゃいましょう。楽譜は自分しか見ないものです。プロでも書き込む人は自分用に楽譜用意して書き込みまくってるので大丈夫です。

 

それではまた。

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2件のコメント

2日にコメントした者です。
さっそく記事にして下さってありがとうございます。
移調楽器とはから、とても分かりやすい説明で勉強になりました。
慣れるまでは書き込んでよいというのも安心しました。プロでも書き込んでいらっしゃるのですね。
頑張ってみます。

こんにちは。少しでもお役に立てたのでしたらうれしいです。リクエストありましたらいつでもご連絡ください^^

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