5月25日(土)26日(日)盛岡出張レッスンのお知らせ

音をはずしても世界が滅びるわけじゃない

どうもごんざです。

 

「音を外しても世界が滅びるわけじゃない」

 

アレクサンダーテクニークの授業でキャシー・マデン先生にもらった言葉。

ぼくが「音をだす瞬間が怖いんです」と話をしたときに言ってもらいました。

「そんなの当たり前だよ」って思うかもしれない。でもぼくはこれを言葉にするとそれだけでグッと心と体が楽になったんです。

一緒に演奏する人を招く

たとえ音楽の現場で何が起きても世界が滅びるわけじゃない。音楽をするって、音をだすって安全なこと。

いつの間にかこう吹かなきゃいけない、音が、演奏が、奏法が。。。やればやるほどがんじがらめになっていって。

知らず知らずのうちに狭い世界の中にとじこもってこわごわ吹いていたんです。でもほんとは何にも危険はなくて。

 

音をはずしても世界が滅びるわけじゃない。

 

この言葉は、こわばってた体をあたためてくれたんです。心の氷が溶けることで演奏にも大きな変化が生まれました。

聴衆を音楽に招くということ

人と演奏するとき、いつからか出方をうかがいすぎてうまくでれない。遅れてしまう。不安になる。こんな悩みを抱えていた当時のぼくにとって、たくさんのヒントをもらいました。

ここは安全な場所だと思って音をだす

心の底からそう思って楽器を吹いてみます。

そうすると、今まで不安でうかがってた音の出だしが何も気にならなくなりました。4人の金管奏者にも一緒に吹いてもらっていたんですが、出だしもぴったり。

 

キャシーの提案は続きます。

「他のアイディアもあるけど試してみる?」と言われてうなずきまくったので、もらったアイディアを全て紹介します。

安全な環境にまずは奏者を招く

演奏する場は安全であたたかい。毛布で包み込むように思って演奏する。

なんだか音の出だしに不安はなくなり、息が吸いやすくなる。言葉や思考で体の動きもたくさん制限されてきたのを身をもって感じました。

会場のみんなをまねく、包み込む

会場中を毛布で包み込むよう思って演奏する。

どんな色の毛布で?

あたたかくつつみこみたいなと思ったので、橙色が思い浮かびました。

 

どんな質感の毛布で?

好きな毛布がすぐに思い浮かんで質感もはっきりと思い出せました。いろんなアイディアをもらって楽器を吹くたびに自分に変化があります。

音の出だしに不安がなくなり、息もスルスル入るようになって楽器もどんどん鳴るようになってきました。不思議。

誰からもらった毛布だったか考えてみる

思い浮かんだのは実家の毛布。思い浮かんできたのは母の顔でした。

みんなで吹いてみます。なにか言葉には表せない感情が湧いてきて泣きそうになりました。この感情はなんだろう。

みんなのサウンドも明らかに変わっています。聞いているみんなにも変化が伝わっているようでした。

おわりに

いくつものステップを踏むことで、考えることが多く余計なことを考える暇がないということも実際ある、とはキャシーも言っていました。

今回の時間、あまりにも変化があったので不安になって授業が終わってからキャシーに質問に行きました。

 

「今日の変化はこれからも起こし続けられるのか」と。

 

キャシーはこんな話をしてくれました。

「この神経回路はできあがっていてなくなることはない。だから別のおもしろいと思える道筋をつくって新しい神経回路をつくるんです。そしてその道筋を選んで歩く。今までの神経回路はこの先もたまに顔を出すけれど、新しい道を歩んでいれば昔の道筋がでてきても笑って迎えられるわよ」と。

 

つい、今までのものはダメだったからそれを潰すんだ、と思っちゃうけどそうじゃないんですね。

新しい道をつくってそこを歩いていくことを選ぶ。

 

胸のつかえが取れて、すっきりしまsした。

 

 

それではまた。

 

 

キャシー・マデン先生のプロフィール

プロフェッショナル俳優養成プログラムのワシントン大学先任講師。
北米シアトルのアレクサンダー・テクニーク・トレーニングとパフォーマンス・スタジオのディレクター。
ATAボディチャンスの参与ディレクターならびにリサーチ・ディレクター。

アレクサンダー・テクニーク・インターナショナルの創始メンバーであり、議長を歴任。
オーストラリア、イギリス、ドイツ、日本、スコットランド、スイス、北米のアレクサンダー・テクニーク教師養成コースとアート・オーガニゼーションの客員講師として定期的に招聘されている。

20年間に渡りマージョリー・バーストウに師事し、アレクサンダー・テクニークを学ぶ。
その間、北米とヨーロッパで開催されたバーストウのワークショップのアシスタントを務める。

ペンシルバニア州立大学にて演劇アート部門の学位、ワシントン大学にて演劇と文学部門の修士号を取得し、ネブラスカ・リンカン大学にて追加の修士課程を終了。

コングレス論文、ディレクション・マガジン、演劇トピックにアレクサンダー・テクニーク教授法に関する記事を投稿。

ピラティス・ヨガなどのムーブメント以外に、瞑想、演劇やパフォーマンス、コミュニケーションなど実際に分析や指導を行ったアクテビティは多数多種であり、来日ワークショップ経験も多数。

毎回、必ず新しい試みを取り入れることでも知られる多才な教師である。

引用:body chance.com

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2件のコメント

楽器が思うように吹けなくて苦しいときに試してみた4つのこと | GONLOG より:

[…] 音をはずしても世界が滅びるわけじゃないで書いた「みんなを音の毛布で包み込む」っていうイメージで吹いてみたら、音の響きが増して豊かな音になりました。 […]

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