ホルンのリップスラー

リップスラー、普段取り組んでますか?

  • いつも決まったメニューだけやってる
  • 中低音を多くやっている
  • ウォームアップに使っているくらい
  • 特にスラーやリップスラーで困ったことないから練習メニューには入っていない
  • 必要性がわからない

 

いろんな人がいますが、積極的に取り組んでいない人が意外と多くてもったいないなと思っています。

リップスラーはバランスを考えて取り組めば、
唇の柔軟性が身につき、
音と音との変わり目を美しくし、
ハイトーンを出すコツがつかめ、
低音域の拡大にも役立ち、
音も外しにくくなり、
奏法自体も見直すことができる。

取り組み次第でいろんな要素を内包するハイブリットなメニュー、それがリップスラーです。自身の経験でもレッスンを通してもそう感じてます。

自然倍音の多いホルンでは特に重要。しかし、ただやればいいというわけではありません。というのも実はぼく自身が長年リップスラーをただやっているだけであまり効果を感じられていなかったからです。

最近ようやく気付いたリップスラーを効果のあるものにする最大のコツは、音量にありました。最初に吹き始めた音量のまま音と音を行き来することができるようになると、その成果がいろんなことにつながってきます。

この記事では最初は軽めの内容で、(リップスラーってどんなのかな)って人向きに書いています。目次後半の「慣れてきたら音量の変化に着目」から複雑な内容になっています。

はじめましてのリップスラー

リップスラーとは、運指をかえずに違う音に移り変わることを言います。

いきなり取り組むのが難しい場合、どうしたら音が変わるかを奏者に感じてもらうため、ぼくはこういった音型を吹いてもらうことが多いです。(譜面作成の都合上「gliss.」と入っていますが特に気にしないでください)

指を変えずに音を半音下げるよう吹きます。
これは「ベンディング」と呼ばれている練習です。
できたら上がるパターンもやってみましょう。

上がるパターンの方が音がひっくり返りやすいので難しいです。が、どうしたらキーを押さずに音を変えるのかを知るための取り組みなので、音がひっくり返ったらひっくり返ったで、それもまた全然OK。

F管を使って吹く場合、慣れてくると何もキーを押さずに、

ミの音にいくこともできるでしょう。

 

B♭管を使って何もキーを押さずに吹く場合は、

ファにいきつくはずです。

最初はとにかくタンギングせずに音が変わるように

音をうまく変えることができないとこっそりタンギングをしたり、替え指を探して吹いたりしている人も多いのですが最初は、

間に違う音が入ってOK、
音の行き先で音量変わってOK

と思って取り組むのがオススメです。なめらかさを優先して裏技を使うのは、必要に迫られたときだけにしましょう。

練習段階では自分の頭の中でどう考え、実際何をしたら音が変わったのか、に着目しながら練習に取り組むのがおすすめです。

どんな形のリップスラーが得意で不得意か

どんな形のリップスラーが自分にとってやりやすいか知ることも大切です。

  • 広い音域をなだらかな山型にリップスラーする音型
  • ジグザグしたのこぎりの刃のようにとがった音型
  • 上から下がってくる音型
  • 下から上がっていく音型

 

パターンはいろいろありますが、好みや得意不得意は人によって様々です。

教則本だと普遍的な内容にならざるをえないため、低めの音を開始音として下から上がっていく音型がほとんどですが、必ずしもそれに当てはめる必要はないし、それがうまくできないからといって自分を責めることもないと思います。

ぼくのおすすめは、自分の好きな型、得意な型を知り、その型をもとに自分に合ったリップスラーの練習メニューを組み、柔軟性アップや音域拡大を目指す、というやり方です。

そのほうが気分良く取り組めるし、気分良くはじめれば前向きにリップスラーの練習を継続しやすいからです。

得意な形から取り組む大切さ

得意な型から取り組むのは、感覚をつかみやすいから、という理由もあります。日本人の性質なのか真面目さゆえ、苦手な形に積極的に取り組む人が多いのですが、リップスラーにおいては逆効果な場合が多いです。

以下の、F管で何もキーを押さずにできる譜例の場合、ぼくにとってはスタートの音が低く、低い音の口を過剰に準備してしまうクセがあるので、2つ目の譜例の形にして練習しています。

開始音が吹きやすい音域であることと、下がってから上がった方が通ってきた道があるので、イメージしやすく取り組みやすいのです。その後に最初の譜例通り吹いてみる。こういった取り組みをしています。

このように、自分の吹きやすい音域、吹きやすい型がわかってくると、工夫して取り組む方が成果がでやすくなります。

慣れてきたら音量の変化に着目

リップスラーに慣れる段階では、音量の変化をつけて取り組むとやりやすいです。

息の吐く量を優先して増やしながらの演奏は、いびつにはなりやすいですがリップスラーの取っ掛かりとしては最適だと思います。

慣れてきたら、音量の変化はなくしましょう。

 

いつも音量を変化させてリップスラーをしている人多いですよね。それが目的であればその調子!ですが、意図していない場合。リップスラーで音量が変わってしまう人は、息の吐く量の増減を優先させて音を変えているケースが多く、これではリップスラーの練習で得られるものが減ってしまいます。

リップスラーはどうやって音を変えるのか

では息の吐く量の増減以外に何をしたら音が変わるのか。

いろんな人がたくさんのことを言っているので、知識が増えたり情報を集めていると分からなくなりがちですが、

  • 口の中の形の変化
  • 息の出口の大きさの変化

大きく言うとこの2点がとても重要だと、ぼくはこれまでの経験上考えています。そのバランスに伴って、息の吐く量(かける圧)も変わってきます。

これらを踏まえてバランスが取れてくると、リップスラーがなめらかになってきますし、息はそこまで使わないことにも気づくはずです。

口の中の形の変化

口の中の形を感じながら大げさに「ア イ ウ エ オ」と声に出して言ってみてください。

口の中の形が縦長になったり横長になったりするのがわかると思います。形が変わると口の中では、歯と歯の隙間が広くなったり狭くなったり(アゴを開ける、という言い方も)、舌の位置が変わったり(舌を上げる下げる、奥に引き込む、前に出す、いろんな言い方があります)、ほっぺたの肉が引っ張られたり、集まったり(口を引く、口を寄せる、なんて言い方も)しますね。

リップスラーで音と音がなめらかにつながるには、これらの要素+息の吐く量、からのマウスピースのくっつき具合、より繊細な息の出口の大きさの変化、が必要になります。

息の出口の大きさ

リップスラーで音と音がなめらかにつながるためには、息の出口の大きさの変化が必要になります。

高い音にいくにつれ息の出口は狭くなり、低い音にいくにつれ息の出口は広くなります。

もともと効率よく振動しやすい唇のポジションにマウスピースを当てて吹いている人は、本当に繊細なコントロールだけで音を変えることができるので気づきにくいのですが、リップスラーでは誰しもやっています。

唇は柔らかいままで、
締めないで、
固めないで、
息だけで、

といった言葉を使って出口の大きさを意図的に変化させることを嫌がる人もいますが、これは程度の問題だと考えています。

どう考えて取り組めばいいのか

まずは、今自分がどんな要素を使ってリップスラーに普段取り組んでいるか知ることが大切です。考えてみましょう。

これまで挙げてきたいくつかの方法の中で、自分が取り入れていなかった要素、考えたことがなかった要素はありましたか?

まず、今まで自分がやってきたやり方+新しい要素で取り組んでみましょう。

それで変化があるのか、変化があるのならなめらかになったのかそうではないのか。

いろんな要素を加味して取り組んでみてください。そしてそれをどのくらい使うのか、自分に合ったバランスは人それぞれ違います。

そのバランスを探し、見つけ、身につけていくのが練習だとぼくは思うのです。

どんな練習をすればいいのか?

おすすめの教則本については、ホルンのおすすめ教則本17冊+αを一挙紹介!にて紹介しているので読んでみてください。

説明するばっかりで結局何をやればいいのかわかんないよ!って声も聞こえてきそうなので、こちらも普遍的なメニューにはなっているのですが、リップスラーのメニューをざっと作ってみました。

少しやさしく感じるかも知れませんが、リップスラーのとっかかりとしては十分かと思います。

ホルンのリップスラー

普段のぼくのレッスンでは、一人一人の傾向に合わせたリップスラーのメニューをお渡しし、その後も経過をみながらメニューを発展させ、リップスラーを演奏全体のレベルアップに活かしていくことが多いです。

おわりに

リップスラーはバランスを考えて取り組むことで、様々なメリットがあります。

特にホルンの場合、合奏でいつもやっているメニューを個人練習で取り組むだけではリップスラーの練習としては全然足りないので、別のメニューを用意して取り組むことがおすすめです。

身近にリップスラーのメニューがない場合、普遍的なメニューにはなりますがこちら使ってみてくださいね。

 

 

 

それではまた。

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