12月7日(土)8日(日)盛岡出張レッスンのお知らせ

タンギングをしているつもりが、実は舌を使ってタンギングしていなかった話

どうもごんざです。

  • 「音の出だしにはタンギングをしましょう」
  • 「スラーが楽譜に書いてなければ基本的にはいつもタンギングしましょう」
  • 「タンギングをもっとはっきり」
  • 「タンギングきれいに」

タンギング。

舌を使って音を開始させたり、音を切ったり、強弱を調整したり。管楽器奏者にとってタンギングとの付き合いは欠かせません。

 

レッスンでも様々な悩みに出会います。

  • 音の出だしをはっきり吹けるようになりたい
  • 出たいタイミングで出れる時と出れない時がある
  • 速いタンギングが苦手
  • なんだかもごもごしてしまう

先日のレッスンでもタンギングで悩んでいる方がいらっしゃいました。これまでたくさんの人とレッスンしてきましたが、結果的に初めて出会う悩みをお持ちの方とのレッスンで衝撃を受けたので今回は紹介します。

その方楽器をはじめて5年目とのことでしたがなんとこれまで、

舌を使わずタンギングしていました。

音がはっきり出せない、切れないという悩み

「昔からタンギングが苦手で、はっきり吹けません。なんだか口の奥の方でタンギングしているような気がします」

とお悩み。

なるほどなるほど。ぼくもタンギングに関しては長年「もっとはっきり!」「音の出だし遅れるよ!」とかいろいろ言われてきたので悩む気持ち、よくわかります。

手始めにどんな音か知りたいのでひとまず吹いてもらいました。

タンギングのたびに首のあたりが動く?!

吹いてもらうと(確かにもう少しはっきりするといいよなあ)と感じはしましたが、この時点ではそこまで問題は感じませんでした。

ただ、「口の奥の方でタンギングしている気がします」と話してくれたことが気になり吹いている姿を見ていたら、タンギングのたびに首の下あたりが動いていたんです。

(タンギングするとき首って動くっけ)と思いながら、自分でも楽器を吹きながら首に手を当てて確かめてみました。

、、、動いていませんでした。

この時点でぼくの頭の中ははてなでいっぱいに。
(何が起きてるんだろう…..?)

 

すぐさま真似を試みはじめました。
こういうとき何が起きているかを知るには、自分をその状況に近づけることが一番。

舌ではなく息を使っていた?

首のあたりに手を当てながら、口の中のいろんなところでタンギングしながら楽器を吹き、首が動くか試してみます。

ですが口の中のどの場所でタンギングしてみても首が動くことはありません。低音域で連続してタンギングをしたみたところ、多少アゴの動きはありましたがさっき見えた動きとは違いました。

とするとアゴではない。
舌でもない。
タンギングの悩みなのに….?

ここで一度、タンギング=舌が関係している、という固定概念を捨ててみます。

なんとなく、舌を使わず息だけで「ふふふふふふ」と連続して吐いてみました。

すると、首が動きがさっき見えた動きと同じだったんです!

試したことが生徒と同じ結果になっているとしたら、これはまさかの「舌を使ってタンギングしていると思っていたけど、そもそも舌を使わずに息で音をコントロールしていた」のかもしれません。

口の中で何が起きているかって実際にその場で見ることはできないですし、感覚の話になるので何が起きているかって難しいのはわかっているつもりでしたが、これにはびっくりしました。

 

何が起きているかわかれば次に進めます。
タンギングにお悩みの方にまずお話しする舌の使い方があるのですが、それを一緒にやりました。

舌を使ってタンギング

楽器を吹く前に舌の使い方を解説実践し、いざ楽器を吹いてみると、聴いていた人もびっくりするほど音の始まりがクリアになり、連続したタンギングもはっきりと吹けました。

「先生!私タンギングしてませんでした!」

弾けるような明るい顔で言ってくれたこの言葉をぼくはしばらく忘れないと思います。

おわりに

音ってそもそも目に見えないものですし、加えてマウスピースの中の唇や口の中など目に見えない部分を使って演奏するので、何が起きているかも見た目にはわかりづらく、本人の感覚で話してもらうことになるので難しいんですよね。

出会ったことのないお悩みでしたが、まさか舌を使っていなかったとは思いませんでした。新しくタンギングの使い方を知ったらきっと、楽器吹くのがすごく楽しくなるんだろうな。

レッスン、楽しいです。

 

 

それではまた。