管楽器演奏における演奏技術「タンギング」
タンギングってなに?と人に聞かれて説明できるでしょうか。
ちゃんと答えられそうだったら、もしかしてこの先読まなくて大丈夫かもしれません。
「タンギング、言葉としては知ってるけどなんだっけな」な人
「頭じゃ分かってるけど、人に説明しずらいんだよね」な人
この記事を読めばタンギングについてわかるし、人に教えることもできるようになるはずです。
目次
タンギングとは
そもそもタンギングとは。
管楽器の演奏で、舌を用いる奏法の総称。空気の流れを一時的に中断し、各音の出始めを明瞭にする。
出典:三省堂 大辞林
わかりやすいですね。
大人にはこの説明で十分です。
タンギングの語源はtongue(舌)
ちなみにタンギングをしなくても音は出ます。
音は唇の震動によって出るからです。
ただ、タンギングをするとはっきりとした出だしになります。
音の輪郭もはっきりします。
タンギングの仕方によって音色も変わります。
様々な効果がありますが、管楽器奏者の場合、音の出だしは基本的にタンギングをします。
これ、当たり前のように聞こえて意外と「音の出だしはタンギングしていません」て言ってしまう人も経験上一定数いるので、特に楽器初心者の人には最初に教えるべき大切なことです。
口の中の話
タンギングは舌で息をせき止め、圧力を高めた後それを解放する。
この一連の流れのことを言います。
簡単に「これがタンギングか!」と感じれるやり方をお伝えします。
- 息を吸う。
- 吸い切ったら息を吐く。
- 息を吐いている途中に舌を使って息の流れを止める。(この時息を吐くのをやめない→うまくいくと息を出したいけど出せず、口の中に圧を感じる)
- 止めたらまた舌を離す。
- 息が流れ出す。
- 何度か繰り返す。
この時の舌の動きがタンギングです。
タンギングは言葉だけ聞くと専門用語だし身構える人もいますが、言葉にはなじみがなくても、実は今までもう何万回もあなたはタンギングしてきているんです。
ひらがなの「た行」と「な行」を声に出してみよう
たちつてと
なにぬねの
言えましたか?
試してくれてどうもありがとうございます。
これでタンギング10回できました。
簡単ですよね?
これを楽器を吹きながらするんです。
ひらがなの「た行」と「な行」を舌をどこにもつけずに言ってみよう
どうですか?
言えましたか?
言えないはずです。
はじめてのタンギングは、
あいうえおの「た」行と「な」行をしゃべるだけ。
簡単ですよね。
これがタンギングです。
タンギングを人に説明するとき、これでほぼ100%分かってもらえます。
ぜひ人に教えるときに使ってみてください。
タンギングって言葉だけ聞くと、見たことも聞いたこともない専門用語に聞こえるかもしれません。
でも知ってしまえばなんてことはないのです。
誰でもできます。
しゃべるときにしていた舌の動き。
これを楽器で音を出すときにもやる=タンギング。
さあ、タンギングをやってみよう
マウスピースをつけながら、又はくわえながらまず「た行」や「な行」を口で言ってみよう。
言えたかな?
「た行」よりは「な行」の方が舌のつき方が優しい感じだな、と感じれたら最高です。
「たちつてと」「なにぬねの」の中から言いやすいものを一つ選ぼう
まずはどれか一つ選んでみてください。
どれでもいいです。
さあ、吹いてみましょう。
「たーー」にしましたか?
それとも「てーー」?
もちろんやりやすい言葉どれでもいいです。
どうですか?
きっと音の出だしがいつもよりはっきりするはずです。
音の出だしがはっきりすることはとても大切。
楽器で音を出すときは基本的にいつもタンギングをします。
ここで楽器を始めてしばらく経つ人にも役立つことをひとつ。
タンギングをするとき「舌をつく」とイメージしてる人が多いんだけど「舌を離す」と思ってタンギングしてみよう。
それだけでもスムーズなタンギングができます。
おわりに
誰かに「タンギングってこういうの」と伝えたいときに、どう伝えたらわかりやすいかに重点をおいて話しました。
・はじめてのタンギングは「た」行か「な」行で。
・楽器をつけて口で言う。
・息を出しながらた行か、な行でタンギング。
今回の記事はタンギングについて、ほんの入り口です。タンギングはとても種類が多いし、奥深いもの。
音楽の場面やジャンルによっても変わってくるし、ダブルタンギング、トリプルタンギングもあります。その人のそもそもの持っているものによっても変わってくるでしょう。
でも、まずは入り口に立つこと大事。
先日小学生にホルンを教えていたときに、みんなにこの話をして同じ音を吹いてもらったら、バシッと音の出だしがそろって、みんな笑顔になりました^^
それではまた。
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