どうもごんざです。
先日のツイートに結構反響をいただきました。
金管楽器を吹く上でめちゃ大切なことをひとつだけ。ぼくはこれができてなくて何年も棒に振りました。
「唇閉じてるところにマウスピースをあてて吹く」
普段唇開いてるところにマウスピース当てて吹き始めてる人は、このやり方にするだけでタンギングはクリアになるしハイトーンも出やすくなります。
— ごんざゆういち (@Gonja_19) June 24, 2022
上述の吹き方でなくとも、演奏に問題がなければもちろん変える必要はありません。
ただ、ぼく自身の経験からも言えることですが、以下のような悩みを抱えている方には多大な効果が見込めます。
- 周りと比べてすぐに唇がバテて振動しなくなる
- 強弱をつけるのが苦手
- 小さい音が苦手
- 長いフレーズでいつも息が足りなくなる
- 音の始まりが汚くなりがち
- でたいタイミングで出れない
- ハイトーンが苦手
はい、何を隠そうこれは全部過去のごんざです。ではでは、やり方というやり方でもないですが、解説していきます。
目次
STEP.1唇が合わさっているところにマウスピースを当ててみる
マウスピースを唇に近づけていき、いざ唇につけようとした時に、口がもごっと動いて上唇と下唇の隙間が空いた状態でマウスピースをお迎えしたくなってませんか?
ここですっと唇が合わさっているところにマウスピースを当てられた人は、普段からそれができている人です。
マウスピースを唇に当てる瞬間唇がどういう状態か、なんてほとんどの人は今この瞬間まで考えたことがなかったはずです。唇が合わさったところにマウスピースを当てるのが当たり前、と思っている方も多いと思います。
こうするのが当たり前だと思っていた。逆に開いたままマウスピースを当てるという状況が想像できない。楽器から離れて数十年経って初めて知る衝撃的事実。 https://t.co/iiLfU4YQt7
— 犬も空を飛びたい / Over the Rainbow (@dog6135) June 25, 2022
ぼくも以前は、唇にマウスピースを当てる瞬間、口が開いた状態でマウスピースをお迎えしていました。
開きたくて開きたくて仕方ない自分との出会い。おもしろいですよね。
音は出なくていいので息をいれる
いったん音を出すということを忘れて、その鉄の塊(マウスピース)を唇が合わさったところにただ当ててみましょう。
(マウスピースと思わず)鉄の塊をただ当てるだけ、ただ当てるだけ、、、と念じながらやると閉じているところに当てられます。
で、当てることができたら音は出なくていいので息を出してみます。
どうでしょう?
いつもよりアパチュア(唇と唇の隙間)は狭いですか?口の中の広さはどうでしょう?多分どちらも普段より圧倒的に狭いはずです。
音は出なくてもそれが感じられた上出来!
ちょっとの息で振動する場所を探す
口を開けたくて開けたくて仕方ないところを、あえて唇閉じたところにマウスピースを当ててるわけですから違和感もりもりですよね。そうなります。それでOKです。
で、いざ息を出してみても多分音は出ないはずです。それもOK。
さてそこから。
ちょっとずつ当てる場所をずらしながら息を入れてみましょう。上とか下とか右とか左とか。
金管楽器を吹いている人は唇の感覚が普通の人よりかなり繊細なので、ほんの0,何ミリいつもと違う場所に当たっただけでもすごい違和感を感じますが、見た目的にはほとんど変わっていないので、比較的大胆にチャレンジしてみましょう。
ほんのちょっとずらして音らしきものが出る場所が見つかれば大収穫。いつもと振動している唇の部分が違う感じがしたとしてもまずはOK。
ちょっとそこで吹いてみましょう。
どうですか?いろんなことは置いておいていつもよりも少ない労力で唇が振動して音が出れば大成功です。
唇が合わさっているところにマウスピースを当てたら、そこからもごもごしてOK!
その後も実はありますが、ひとまずはSTEP.1だけでもだいぶ違いを感じられます。普段から口が開いている状態でマウスピースを唇に当てて吹いている人にとっては、合わさっているところにマウスピースを当てた時点でいつもより断然唇の隙間は狭くなるからです。
STEP.2 吹き始める直前に唇が合わさっている状態に
STEP.1がそもそも難しいので、そこをクリアしただけでとっても素晴らしいのですが、その先もあります。
次に大切なのは、
息が通るまで唇と唇の隙間は開いていないこと。
です。
息を吸って音を出す直前に合わせる
シンプルにこれだけ。
とは言えぼく自身以前は、「唇をマウスピースに当てる時点で唇の隙間は開いているし、音を出す直前も唇は開いている状態」でした。
STEP.1が難しければまずはSTEP.2からでOK!
ツイートに結構な反響をいただいた中に、こういった反応もいただきました。
これどうやら二種類の吹き方が存在するようです。
その人に合っていない方を選んでしまうと、途端に発音障害に陥るみたいです。
僕は二種類の吹き方ができてしまうため、混ざると発音が出来なくなります。
唇開いている所からセッティングしても、発音時に閉じていればクリアな発音は可能なようです。— 大野晃平 (@koheicor) June 25, 2022
わかります。
ぼくは最初「唇が隙間なく合わさったところにマウスピースを当てる」ことが難しかったので「とりあえず今まで通りに開いている所に当てて、吹き始める直前に唇どうしを合わせる」で吹いていた時期があります。
このやり方でも、唇と唇の隙間が開いている所にマウスピースを当て、吹き始める直前も隙間が開いているまま吹き始める、よりはよっぽどよくなりました。
この場合、唇と唇が隙間なく合わさったいる所にマウスピースを当てて吹くのとの決定的な違いは唇の振動する部分の違い、にあります。
開いている状態のところに当てて吹く直前に閉じる吹き方は、唇の表面というよりは少し奥側(裏とも言えるかもしれません)のやわらかい部分を使います。
唇を合わせたところから吹き始めるメリット
・必要最小限の開き具合で吹き始めるので、今までよりも少ない息で吹き始めることができるようになります。
・それに伴い小さな音も格段に楽に出せるようになります。
・開いているところにマウスピースを当てて吹くよりもアパチュアが小さいので、タンギングしやすくなります。
・大きくアパチュアが開いていた時よりも少ない力で高い音が出せるようになります。
唇を合わせたところから吹き始めるデメリット
・マウスピースを当てる場所が限定されます。アパチュアが大きいと割とどこに当てても音は出しやすいのですが、アパチュアが小さいとそうはいきません。いい場所にこないと振動すらしないことも。
・アパチュアが開いている状態から吹いていた時は割と低音域が得意だったかもしれませんが、この吹き方は低音域が以前よりも吹きにくくなることが多いです。低音域にいくにつれ、積極的に口を動かす動きが必要になります。
・今までよりも自分の音色を硬く細く感じます。ただ、これは耳元でそう聞こえているだけで、離れて聞いたときにはその楽器らしい音色に聴こえるので問題ありません。慣れの問題とも言えます。
おわりに
ツイートでは「閉じているところに当てるだけ」というような書き方をしましたが、実はこれ結構奥深い。ここだけの話、著名な方や大先輩にもリアクションいただいたので大切なことなのだと思います。
ぼくは気づくのにとっても時間がかかってしまいましたが、これは楽器を始めた頃から当たり前にできていたら違ったなあ、と思うような大切なこと。
気になる方はぜひ試してみてください。自分の吹き方を知るという意味でも損はさせません。
それではまた。
ごんざゆういちさんへ
はじめまして!吹奏楽部ホルン担当の中1です!中学校から楽器を始めました。 もともと私は木管楽器志望で(アルト➡テナー➡クラ)ホルンは第5希望にも入っていませんでした。ですが、どうやらホルンに向いていたようで、日が立つごとに上達していってます。入部して二ヶ月ほどでコラールやハイトーンが吹けるように!(ハイトーンは高いソで苦戦してます・・・) プチ自慢は、一年生が受けるロングトーンテストに一発合格し、立ち方が一番キレイで素晴らしかったと褒められまくったこと! (一年生は十五人で十一人が木管・金管なんですが、一発合格したのは五人です・・・ヒョエ) ホルン吹きになったことに最初はすごく落ち込んでいて嫌だったんですが、今やホルンLOVE♡で街なかで見かけては大興奮し、友達にホルンの魅力を語って呆れられ、同じ吹部のバスクラの友達と楽器の張り合い&自慢大会をするのが日常茶飯事に・・・笑 もうとにかく、ホルンが大好きすぎる人間になってしまいまして。先輩も2・3年生どちらも超がつく美人でめっちゃ優しいっす! (もはや関係なくてすみません・・・笑)
icon-listの記事はたくさん参考にさせていただきましたので、ご挨拶とお礼を・・・ 本当にありがとうございます!これからも応援していますので、頑張ってください!どうかお体にお気をつけて、お過ごし下さい。
いち読者の初心者ホルン吹きより
先日の練習で試してみようと思いやってみましたが、全く音が出ず感触が悪すぎてやむなく従来のセットアップに戻しました(何とかちゃんと戻れて助かりました)
改めて自分の吹き方を振り返ると大野先生がリプで仰ってるように開けてマッピ付ける→吹くときは閉じてるが該当してそうなのですが、それで特に重大な困りごとなくできているならあまり気にする必要はないのでしょうか?
Twitterのリプ欄とか見てるとあまりに皆さん閉じて付ける→閉じて吹くに賛同されていて少し不安になってきまして。。。
コメントありがとうございます。
マッピをつける→吹くときは閉じている、でも困りごとがないのでしたらもちろん問題ないですよ。ぼくはどちらも経験していて、ひとまずマウスピースを口につけてから楽器を吹くまでの間に一瞬でも唇が合わさる瞬間があるといいと、考えています。
こんにちは。TP吹き50過ぎのオッサンです。
まさに唇を常時開で吹いて40年、低音バリバリ
高音はヒヨヒヨ、マウスピースのみのバジングはミドルFすら出ませんでした。
このツイート以降、常時閉を目指して修行中です。
質問ですが、開から閉に完全移行されるのに多分苦労されたのではないかと思います。
どのくらいの期間を要されましたでしょうか?
もちろん日常の練習時間の違いはあるのであくまで参考にさせて下さいませ。
こんにちは。ツイートを参考にしてくださりありがとうございます。おっしゃる通り、開から閉への移行は相当に苦労しました。週の半分以上は毎日練習して半年ほどです。何度も心折れかけましたが、高音吹奏時の反応の良さ、出しやすさ、バテにくさを心の支えに頑張りました。何かの参考になれば幸いです。閉に慣れても開の奏法もいまだに使いますので、これまでの40年間も無駄にはなりません。応援しています!
ごんざゆういち様
はじめまして。トランペット脱初心者を目指す中年です。
20年のブランクを経て楽器に再び触れる様になり、レッスンを受けております。
まさに今の自分にぴったりの記事でした。
というのも、レッスンで指摘されて気づいたのですが私の場合、
口を閉じてマウスピースを当てる、吹く。
ここまでは良いのですが高音から低音へと下がる時に開いているようです(無意識に)
結果、ごんざさんの言っておられる症状ほぼ全てが当てはまります。
常時閉を目指し鋭意練習に取り組んでいる最中にこの記事を見つけハッとしました。
自らが目指している方向性が間違っていなかったんだと自信が持てました。ありがとうございます。
はじめまして。コメントありがとうございます。
ぼくのところにもブランクを経て楽器を再開した方が何人かいらしてます^^
記事がお役に立てたようでよかったです!!