ホルンを吹いている人の多くがハイトーンで悩みます。
高い音ってどこからが高い音?
高い音を出すために必要なことって?
日々どんな練習したらいいの?
悩みを持つ人は多いですが、うまくいかない部分を1つずつクリアしていけば、高い音の克服に近付けるはずです。
よく聞くアドバイスの、「高音は息のスピードと気合いだ!」しか引き出しがないまま演奏していると、実はうまくいきません。
高い音がうまくいかない人にぜひ1度目を通してもらいたいです。(より詳しく具体的に知りたい方はこちらもどうぞ→ホルンのハイトーンを楽に吹くために必要な5つの要素)
目次
ホルンて譜面上のどの高さからが高音?
ホルンは音域の広い楽器。
音域は4オクターブあります。
この音はドイツ音名で言うとC。上のソです。
このあたり、五線を越えたあたりから「高音だなあ。。」と思う人が多いですよね。
ぼくは中学生のときはこのCが大きな壁でした。
でもホルンの高音域ってもっと上まで出ます。
ハイエフ。
高い!
こんな音なんてでたことない( ゚д゚)
ってなりました?
うん、わかります。
でも運指表上だとこの音が1番高い音が多いですが、実際はもっと上の音までホルンは出るんです。
マイナスなイメージは演奏にもマイナスな影響を与える?!
うわ、高い
嫌だなあ
出るわけない
どうせ出ない
出る気がしない
自分には無理
高い音苦手だとついついこう思ってしまいますよね。でもマイナスなイメージで高音の練習に取り組むのはやめましょう。
ネガティブなイメージをもって練習に取り組むと、そっちにエネルギーが割かれて必要なことをやりにくくなりますし、体もかたまって唇もかたくなりがちです。おまけに息も出にくくなるし、前向きな練習プランも考えにくくなります。
高い音を出したいときにはmまず奏法に関する知識の整理をし、吹く前に計画を立て、実際に自分が実行できることを考えながら演奏することが大切です。
ホルンのハイトーンがでる仕組みとは
高音ってどうやったら出るものか、考えたことはありますか?
気合い?
やる気?
息のスピード?
それだけではでません。
出たとしても、音が潰れて苦しそうに聞こえる高音です。
では、どうしたらいいのか?
高い音をだすにはまず、3つの要素がバランスよく組合わさることが必要です。
①息を吐く量
高音を出すには、口の中が小さく(狭く)なり、息の出口も小さく(狭く)なるため、通常の音域よりも息を吐きにくくなります。
そのため、通常の音域よりも息を吐こうとする力を増やす必要があります。ですが=息をたくさん吐くということではありません。(これを場合によっては息の圧力、と表現することもあります)
ホースから水を出しているとき、先っちょをつまむとビューってでるあの感じです。
②口の中の広さ
高い音をだすには口の中の広さを変える必要があります。息の量にさほど変化はなくても、口の中を狭くすれば結果的に息のスピードも速くなります。
口の中を狭くする方法はいくつかあります。舌を持ち上げたり、歯と歯の隙間を狭くしたり。自分のやりやすい方法を試してみましょう。もちろん、両方を組み合わせるのもありです。
③アパチュアの大きさ
アパチュアとは唇と唇の隙間の息の出る穴のこと。ここの大きさを変えることは、高音を楽にだすためのコツの一つになります。高音は中低音と比べて息の出口の大きさは必ず小さくなります。
高音を楽に出すためにリップスラーの練習が有効
「リップスラーを練習すれば、高い音が出るようになるよ。」
こんな言葉を聞いたことがある人もいるかと思います。
なぜリップスラーが高音を出す練習になるのか。
リップスラーの練習でなめらかに、音域によって音量を変えることなく音を行き来するには、アパチュアの大きさ、息の吐く量、口の中の広さを変化させることが必要だからです。
柔軟に3つの要素を変化させることがでるようになると、高い音も出しやすくなります。
そのため、
- 口を動かさないで吹く
- なるべく口を動かさずに吹く
- そのままの口で吹く
- 何も変えずに吹く
これらのよく聞く言葉たち、実はリップスラーを出すためであったり、ハイトーンを出すための妨げになる言葉の可能性もあるんです。
どんな名手でも口がまったく変わらない奏者はいません。変わらないように「見える」だけです。さらにその口の動きは洗練されることにより動きが減っていきます。
なので、洗練された奏者を見て「あの人たちは口動いていないから自分のそうしなきゃ」と口を動かす必要性を感じる前に口を動かさないように演奏するのは、順序が違う可能性が高いのです。
それによって通常使える口の動きが使えなくなるので、口を横に引きすぎたり、マウスピースを押し付けすぎたり、他の部分でカバーしようとしてかえって無理な吹き方になってしまうこともあります。
ですので最初はまず、口が動いてもいいからやりやすい、吹きやすい方法で演奏する。これがいいとぼくは考えています。
マウスピースと唇のプレスについて
楽器を吹くときにマウスピースと唇と歯をどれくらい密着させていますか?
押し付けすぎない方がいいとか、プレスしない方がいいとか聞いたことがある人も多いと思いますが、最近の研究の結果、多くのプロホルン奏者はかなり押し付けて吹いていることが明らかになってきています。(こちらの記事の後半に研究に関するツイートがありますのでご覧ください)
高音域を演奏する際はある程度のプレスが必要なんです。
プレスというと「押し付ける」イメージがあるかもしれませんが、ぼくは「密着させる」ことだと思っています。
高音域を吹くときでも、息を押し出す圧力に対して同じくらいのプレスでマウスピースと唇と歯を密着させることにより、高音は出しやすくなります。
歯並びや唇の厚さはハイトーンを出すのに不利に働くのか問題
唇が薄いからハイトーン得意、だとか唇が厚いからハイトーンは不得意、だとか歯並びが悪いから・・と、いろいろと聞くこともありますが、直接は関係しないと思います。
唯一心配なのは、演奏する上で歯が唇に刺さって痛みがあったり、出血が伴う場合です。
この場合はまず歯医者に相談することをおすすめします。
それ以外の対処法としては、当てる位置をずらして吹きずらくなければそれもありですし、歯に木管楽器がしているように紙をかぶせ吹いている方もいます。
おわりに
高音を出すコツ、仕組み。いかがでしたか?
コツは、
- 息の吐く量
- 口の中の広さを狭くする
- アパチュアの大きさを小さくする
- プレスを増やす
この4つです。
これらをバランスよく組み合わせて、息の通り道の狭さを変える。
ぜひ試してみてください。
高音は仕組みやコツがわかってもすぐに出るようになることばかりではありませんが、仕組みを理解し自分に合った吹き方を見つけることで必ず伸びます。焦らず練習を続けていきましょうね。
それではまた。
おまけ ハイトーン攻略おすすめメニュー
ハイトーンがどうやったら出るのか、とか基本的な考え方はわかった。でも実際何を練習すればいいの?そんな疑問にお答えする楽譜があります。
実際にレッスンで利用しているものです。
理屈がわかればあとは実践あるのみ。おすすめです。
唇で音を変える感覚をつかむための、リップスラー。
こちらはほとんどのレッスンでみなさまにお渡しする自信作。意図を理解して取り組むと、リップスラーがなめらかになることはもちろん、ハイトーンも出るようになります。
口の中の広さを変えるってどうやるの?にお答えするリップスラー。
あるレッスンをきっかけにできたこちらの楽譜、口の中の広さを意識してハイトーンを吹いたことのない人が取り組むと、かなりの効果が見込めます。本当におすすめ。上記の「音と音の間をなめらかにつなげる息づくり」と組み合わせると、さらに効果が見込めます。
[…] こちらで詳しく書きましたが、上の音をだすには口の中は広くなってはスムーズにでません。むしろ狭くした方がでやすいです。 […]
[…] を読んでみて。あなたの助けになるかもしれないよ。→ホルンの高音の出し方 […]
[…] 関連記事:ホルンのハイトーンの出し方 […]