基礎練習で「とりあえずやっとけ」と言われがちな練習、ロングトーン。

どんな練習していますか?

ただ音を伸ばすだけ。
いつもの決まりきったメニューをこなしているだけ。
チューナーを見ながら吹く練習。

こんな練習になっていませんか?

ロングトーンは「基礎中の基礎」と言われがちですが、実はとても高度な練習です。同じ音をのばし続けるために想像以上にいろんなことをやっているからです。 

 

同じ息のスピードを出し続けること。
アンブシュアの形を保ち続けること。
アパチュアの大きさを一定に保ち続けること。
唇周りの筋肉への負荷を同じ状態で保ち続けること。

 

とってもキツイ練習なんです。

ロングトーンは身体のいろんな部分に負担がかかりやすい練習。だからただ吹いてるだけのロングトーンならやらない方がいいです。

ぼくはずっと、ロングトーンの練習が大嫌いでした。ロングトーンした後いつも調子悪くなっていたからです。
身体もあちこち痛いし、凝ってくる。
どれだけ吹いても疲れるばかりでいまいち効果もわからない。

そんなロングトーン嫌いのぼくがひとつだけ「これはいい!」と思ったオススメの練習方法があるので紹介します。 
ロングトーンについての考え方も一緒にどうぞ。

ロングトーン

ぼくはロングトーンの練習を生徒に伝えるときに「音の形だけまずは考えて吹いてみよう」と言っています。
話はそれからです。

音の形pencil-152126_1280これはなんでしょう。
そう!鉛筆です。

音は目に見えないけどこんな音の形をイメージして演奏しよう

そう最初に話します。ロングトーンの説明はここから。
鉛筆を三等分して考えます。image

アタック

音の出だしのことです。
音の出だしはタンギングをしましょう。

タンギングについての詳しい説明はこちらをどうぞ。

コア

音を伸ばしている部分です。
同じ量の息を出し続けることで音がまっすぐのびます。

リリース

音の終わりのこと。
音の終わりは静かに消えるように。

ぶつっと切れたり、なんだかうまくいかない場合は音が終わるときに口をピタッと閉じてしまっていることが多いです。

ここで、なんでもいいのでひとつの音を声に出して歌ってみましょう。音の終わり、どうでしたか?
音が終わると唇は閉じてきますがピッタリ閉じはしませんよね。
楽器でもそう吹けるとステキです。

 

音の形が見えてきた次の段階で「音程を合わせるってどういうことだろう?」という話ができます。
最初からチューナーを見て、針をメーターの真ん中に合わせる練習はロングトーンではありません。

吹奏楽部員の君へ、自然と音が合うチューニング方法はこれだ!

2016.01.17

ロングトーンの効果

ロングトーンにはこんな効果があると言われています。

響きが豊かになり美しい音色になり音程が定まり、そう、つまりすべてはロングトーンに始まってロングトーンに終わるのです、と。

 

でもなぜなんでしょうか?思いついたことを紹介します。

身体が覚える

野球やテニスの素振りと同じですね。
いい吹き方で繰り返し吹くことで、少しずつ体が覚えていきます。
これは何の練習でも必要なことです。

筋肉がつく

ぼくらは楽器を吹くために生まれてきたわけではないですから、唇の周りの筋肉はそんなにもともとないです。

ですからいくらかは鍛える必要があります。
と言っても「あいつ、唇の周りの筋肉ムキムキだぜ!」と言われているのは聞いたことがありませんから、ほどほどで大丈夫です。

唇を鍛えるためだけなら、今は便利なグッズもありますし。

金管楽器を吹くために必要な筋肉を鍛える!P.E.T.E.を2週間使った感想と使い方を紹介!

2016.03.22

何を考えながら楽器を吹くか

ただ息を楽器に吹き込んで唇を振動させているだけのロングトーンと、「こんな音を出したいな」「こんな音が好き」と思って吹くロングトーンでは不思議なことに音が変わります。
人はイメージしたものに自然と近付いていこうとするんです。

音色に関しての考え方はこちらをどうぞ。

息の使い方に慣れる

幅広い音域をロングトーンすることによって、特定の音を吹くにはどれくらいの息の量やスピード感が必要で、口の中の広さや舌の位置はここらへんで、アパチュアの大きさはこれくらいで、と身体が覚えます。
繰り返すうちに自動で吹けるように、スムーズに息が使えるようになります。

 

いいことも多いですがデメリットも。

身体に力が入りやすい

長い時間同じ状態で吹き続けていると体に力も入りやすくなります。
無理な吹き方をしていると、無理な吹き方で長時間吹くことになるので、体が痛くなってきたり、疲れやすくなったり、バテます。

楽な構え方で、自然にブレスをとっていい状態で吹き続けることができないと、ロングトーンは一瞬にして危険な練習になります。

無理な吹き方で吹き続ける、ということは無理な吹き方を身体に覚えさせている、ということだからです。

あとは経験的に「あまり向かないかも」という人もいます。
なので必ずしもやらなければいけない練習というわけではない、というのがぼくの今のところの考えです。

これは今まで散々ロングトーンをやったからこそ言えることです。
ちょっとやってうまくいかないから「俺向いてないからやんなくていいや」ではなく、自分に合った練習法なのかどうか探してみるために必ず取り組みましょう。
メリットもたくさんあります。

おすすめの練習方法

joggers-on-bridge

メトローム、いりません。
チューナー、いりません。

1人でも2人でも何人でも練習できます。なんの音からはじめても構いませんが「一番いい音」から吹き始めるといいでしょう。大抵は中高生だったら毎日吹いてるチューニングB♭からがおすすめです。

最小のエネルギーで

大きな音量はいりません。
なるべく少しのエネルギーで息で吹ける音量で。
そう心がけることでPの練習にもなるし、音色に響きが増し、音色がつくられていきます。

音の長さは伸びるだけ

音の長さは決めません。
のばせるだけのばします。

息を使い切ることにも意味があります。
息を使い切ることで、吹き終わった後に自然に息が深く吸えるようになります。

プールで息継ぎなしで長距離泳いだ後、顔が上がったら目一杯息を吸いますよね。
あんな感じです。

2人以上でロングトーンをするときは、全員の音が鳴り止むまでが一回です。
周りよりはやく自分の音が消えちゃうと「もっと長く伸ばしたい!」となるのでやる気がでます。

最初の音をひとつ吹いたら半音ずつ下がっていきます。

いけるところまで下がったら、また最初の音に戻って今度は半音ずつあがっていきます。

この静かなロングトーンはいかに楽に吹くか、を頭において吹いていきます。

吹いている状況をイメージすることで音楽的な練習になる

静かな音で音を伸ばしています。
イメージする場所は大きなホール。
音をだしているのはあなた一人。

空間や状況をイメージしてロングトーンをすると、室内に静けさが生まれてきます。
緊張感とも言えるかな。
これにも大切な意味があります。

2人以上で練習する場合

パートでロングトーンをする場合。
ホルンセクションでロングトーンする場合は、一番左端の人がリーダーになります。
リーダーが基準の音を出すので、チューナーを使うならリーダーだけが使いましょう。

最初4カウントして、その後1人でロングトーンするのと同じ要領でみんなでロングトーンします。

周りの音を聴きながら楽器を吹く。
ホルンの場合は左隣の人の音を聴きます。
周りの音を聴こうと思って吹くだけで自然と音程が合っていきます
響きが混ざってきます。
そうすると音程が合っていない時に感じる音程のうねりが消えて、いい響きに変わります。

ホルンで練習する場合に、左隣の人の音が聞こえないときは自分の音が左の人より大きい可能性があります。
より静かに吹きましょう。

耳を使って聴くことに集中してロングトーンすると音程が合ってきます。
聴く力を鍛えるいい機会になります。

まとめ

ひと味違ったロングトーンの練習方法。
無理矢理やらされがちなロングトーンのメリットとデメリットも紹介しました。

いかがでしたか?

一番大切なことはいつだって「どうなりたいから練習するのか」です。
タンギングが苦手なのにロングトーンするのは違いますし、ただやらされているだけならやらないほうがいい。

ロングトーンは絶対的なものではなくて、あくまで手段のひとつです。
そこを理解するだけで練習の質が変わります。
紹介した練習法をぜひ楽しみながらやってみてください。

練習はやりたくてやるから意味があるんです。

 

 

それではまた。

 

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ごんざ ゆういち

国立音楽大学卒業。ホルン奏者。講師。
自身が長い間、心身ともに不健康な状態で音楽と関わってきた経験から「健康的に音楽と関わる」をコンセプトに多方面で活動中。
現在アレクサンダー・テクニーク勉強中。