楽器を吹く人は長い付き合いになる、音程。音程には気を使うし悩むこともありますよね。

今回は、吹奏楽生活で長い時間を共に過ごす「チューナー」との付き合い方について。音程、ピッチについての話でもあります。

正しい音程をキャッチして楽しく楽器を吹こう!

チューナを見て音程合わせてるつもりの人多すぎ

どこの学校でも、皆一人一つはチューナーを持っていますよね。最近はメトロノームとチューナーが一体になっている物も多くて便利。

常にチューナーと楽器をマイクにつないで練習している学校もあります。

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ある時こんな事がありました。
中学校で、ホルンのパートレッスンをしていたときのこと。

いつもやっている和音の練習を聴かせてもらいました。吹いている生徒を見ると、皆チューナーを見ながら楽器を吹いています。

吹き始めて時間が経っても音程もよらないし、音色も混ざりません。

・・・

 

・・・

 

ちょっと待ったー!!!

 
 
 
 
 
 
音程がいい=針の位置が真ん中にきた状態なの?
確かにその時その瞬間はそれでいいかもしれない。
 
じゃあ本番もチューナーを譜面台に置いて演奏する?
 
違いますよね。。
そもそも吹いた瞬間合っていなかった音程を時間をかけてチューナーの針が真ん中にくるように吹いても、時既に遅し。
 
 
音楽は待ってくれない。先に進んでいます。
では何のためにチューナーを使っているのか。
 
 
 
試してもらうために、チューナーの電源を切って、困惑気味の生徒の顔を見て見ぬ振りして、もう一度吹いてもらいます。
 
 
一回目、ちょっとばらばら。
 
 
 
そこで一つ提案。
 
「もう少しお互いの音を聴き合って、もう一度吹いてみよう」
 
 
〜♩
 
 
さっきより大分まとまりました。
このとき、チューナーはつけていなかったので、針が真ん中だったかはわかりません。
 
でも、何人もが一つの音を奏でるには
 
 
「聴き合う」
 
 
それだけでも音が充分まとまるんです。
 
 
その上で、効果的にチューナーを使うにはどうしたらいいか。
各パートの基準となる1stを吹いているプレーヤーが、いいピッチで演奏できれば、他のメンバーはその音をよく聴く事で、全体が更にまとまると考えます。
 
 
では個人個人がいいピッチで演奏するために、どういった練習をしたら日々よくなっていくか。ここで一つ、練習方法を紹介したいと思います。
 
 

チューニングはゲーム感覚で

この練習方法は、私が大学卒業後にほんの少しだけ、ミュージックアンドメディアアーツ尚美(現、尚美ミュージックカレッジ専門学校)ディプロマ科に通っていた時に、オーケストラスタディーの授業で、ファゴット奏者の中川良平先生に教わった練習方法です。
 

 【C・A・P】“チューナーの上手な使い方”

( C・A・P→ Catch-a-pitch )

用意するもの

  1. 自分自身とその「耳」
  2. ウォームアップをすませた、自分の楽器
  3. チューナーを440(442)にセットする

順序

  1. 「ひとつのピッチ」をチューナーからだし、よく耳を傾けて聞く。「そのピッチ」をとらえた!と思ったら、チューナーのスイッチを針が答えてくれる方に切り替える。
  2. そのまま今聞いたピッチを、自分の楽器で吹きのばす。
  3. 吹き続けながら「ヨシッ」と思ったら目を開けて、針の位置が正しいかどうか、みてよろしい。
  4. 合っていても外れていてもすぐに吹き止めないこと。その時の演奏状態を観察し続ける事。次回のために。3回続けてストライク(当り)が取れるまで繰り返す事。 
 
基本的な練習方法は以上ですが、中川先生はこの練習方法について、こうもおしゃっています。
 
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 耳を常に使用するCAPトレーニングは、単なるピッチやイントネーションの進歩だけではなく、奏法の全てを助けてくれるものなのである。

音程は合わせるものではない。

それは、耳を使って捕えるものであり、それを正しく、自分の楽器を通して再生する行程から、演奏の第一歩は踏み出されるのである。
 
ある一人の人間の目から入ったリンゴは、その人の体を通過して、手から絵筆を通して、リンゴとしてカンバスの上に現れる。
 
これを画家の場合とすると、耳から入ったリンゴは、口からリンゴとして出てくるのが管楽器奏者の場合のはずである。
入ってきたリンゴがナスビになって飛び出していないかどうかチェックし続ける方法、それが Catch-a-pitch ゲームなのである。
 
それによって得られた「絶対音色感」(絶対音感ではなく、楽器が最良の状態で鳴り響いている音色を絶対に知っていること)こそが奏者にとって最も大切なこととなる。
 
以上の理由によって、一流の奏者は、常にTunerを保持して、自己チェックを欠かさないのである。
なお、「CAPトレーニング」の目的は、あくまで健全な奏法を身につけることにあって、奏者を440(442)に調律することを目的とはしていない。
 
音程とは、最終的には「各音感の程よい距離」であることを忘れず、「ひとつのピッチを正しく捕えるゲーム」を行っている、という自覚を持ち、いたずらに「Tunerの奴隷」になる方向に走らないように留意すること。
 
 

音程は合わせるものではなく、耳を使って補えるもの 

 普段の合奏で鳴らされるハーモニーディレクターの音も、聞いてイメージしてから吹く、
このほんのちょっとした工夫で、今までよりしっかり音程が合うようになります。
 
 
 
 
ぜひ試してみてください。
 
 
 
 
それではまた! 
 
 
 
 
 
 
曲中で音程が合わなかったときの、チューナーを使った具体的な合わせ方 
 
 
 





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    ABOUTこの記事をかいた人

    ごんざ ゆういち

    国立音楽大学卒業。ホルン奏者。講師。
    自身が長い間、心身ともに不健康な状態で音楽と関わってきた経験から「健康的に音楽と関わる」をコンセプトに多方面で活動中。
    現在アレクサンダー・テクニーク勉強中。